会社に勤めて年月が経つと、後輩や部下ができますよね。
部下を育てることも大事な仕事の一つになってきます。
あなたが上司に育ててもらったように、部下を育てる。
または、反面教師で学んだことを活かして部下を育てる。ということもあるでしょう。
いずれにしても、部下を育てるということは簡単ではありません。
あなたが思いもしないような壁にぶつかることもあるでしょう。
「最近の若いヤツは・・・。」と呆れたり、「自分が新人の時はこんなもんじゃなかった。」などと思うことも多いでしょう。
きっとあなたも分かっているはずなんです。
時代が変われば、人も変わっていくんです。
あなたが先輩や上司にしてもらった教育が、今のあなたの後輩や部下に全て通用するわけではないのです。
今日は、そんな風に思っているあなたに部下を育てる方法としておすすめの情報をご紹介していきます。
成功談だけでなく参考になればと思い、失敗談もご紹介していきます。
目次
部下を育てるためのポイント
まずは、部下を育てるためのポイントをご紹介します。
これは、新人だけでなくある程度の社会人経験がある部下にも当てはまることです。
基本的なことなので分かっていることではありますが、改めて考えていくことにしましょう。
①コミュニケーションを取り部下の本質的な性格を知る
部下を育てていく上で、まずあなたがしなくてはいけないことは「部下のことをよく理解する」ということです。
部下のことが分からなければ適した指導方法を見いだせないからです。
分かってはいるけど、人は無意識に思い込みで相手を判断してしまうことがあります。
もし、あなたが思い込みで部下に何か注意したとします。
しかし、事実と違う場合や別の言い方の方が相手は良く聞いてくれたかもしれません。
コミュニケーションというのは、人間関係を作る上での基本となります。
部下の事を知れば、部下の不得意なこと・得意な事、価値観だけでなく、部下自身が気がついていない才能を見つけることもあります。
そういったことを自分のチームで活かすことができるかもしれません。
部下を理解するためのコミュニケーションは「よく観察し、対話する」ことですよ。
②成長に繋がる目標を設定し仕事を割り振る
部下の本質的な性格を知ることが出来たら、次は部下の成長に繋がる目標を設定しましょう。
部下の得意な所を伸ばす・不得意が克服するの両方で設定しましょう。
出来ない所ばかりをやらせると部下も嫌気がさしてきますし、逆に得意なことばかりさせてしまうと仕事に対して面白さを感じなくなってしまいます。
それを踏まえた上で、部下へ仕事を割り振りましょう。
仕事を割り振る時には、必ず目標を設定し部下へ知らせる必要があります。
部下にゴールを示すことで、仕事に取り組みやすくなるからです。
得意なことを任せると、部下も張り切って仕事に取組みやる気も増すでしょう。
不得意なことを任せた時は、あからさまにやる気が落ちるかもしれません。
しかし、これは会社にとって大事な仕事であり長い目で見ると部下のスキルになることだ。としっかりと説明してあげましょう。
③褒める時と叱る時はしっかりと区別する
部下は褒められると「自分をしっかりと見てくれ認められた」と感じるでしょう。
そう感じた部下は、今後の仕事にもモチベーションを上げて取り組んでくれるはずです。
そして、叱る時は納得できる理由で叱らなければいけません。
感情的に叱ることはできるだけやめましょう。
褒める時と叱る時に気を付けてほしいポイントをご紹介します。
●褒める時
成果だけでなく、具体的な過程をも褒める。
そうすることで「プロセスもちゃんと見てくれていた」と感じます。
小さなことも褒めてあげるようにしてください。
あなたへの信頼度が増し、仕事にも意欲的になってくれます。
●叱る時
感情的にならず事実に対して冷静に指摘しましょう。
そして、一方的に叱るのではなく部下の言い分も聞いてから叱りましょう。
なぜ叱っているのか理由を明確にして、なぜ叱られているのか理解してもらうことが大事です。
逃げ道をふさがず、最後にはどうすれば良くなるのか?答えではなくアドバイスをすることも必要です。
④部下のレベルに合わせた困難を与え乗り越えさせる
困難に突き当たることで、本能的に対応策を考え試行錯誤しながらも困難を乗り越えようとします。
「簡単に達成できる目標でなく、難しいけど頑張れば達成できる」という目標がベストです。
困難を乗り越えることで達成感を味わえるので、次の目標にも自信を持って取り組むことができるでしょう。
部下が困難に立ち向かっている時は、任せっきりではなく見守ることが大切です。
相談をしてくる部下もいれば、自分の判断で突き進む部下もいます。
しかし突き進んだ結果、取り返しのつかないことになっては業務に支障が出るだけでなく、部下の自信喪失にも繋がってしまいます。
大きなミスにならないよう、見守りながらフォローをしていきましょう。
部下を目覚めさせる言葉
部下は上司からの一言一言を意外としっかりと覚えていたり、気にしたりしています。
それは良い言葉も悪い言葉も同じです。
部下を育てるのに心に残り、やる気を目覚めさせる言葉にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、ドドヨ自身がこれまで上司からの言葉で印象に残っているものや、周りの仕事をしている友人・知人からの経験を元にご紹介していきます。
「お前が失敗したくらいで会社は潰れない」
ドドヨが実際に上司に言われてやる気になった言葉です。
「お前が失敗したくらいじゃ、この会社は潰れないから安心してやりなさい。」と言われ「確かに・・・。」と思いました。
でも今考えると、この言葉には色々な意味を感じてしまいます。
「お前が失敗しても俺がフォローするから大丈夫」とか「失敗を恐れずに仕事に取り組みなさい」という風にも聞こえませんか?
何だか勇気が湧いてきましたし、安心感が生まれたのは事実ですね。
「お前が信じていないのはおまえ自身じゃないのか?」
友人が職場で大失敗をして周りから白い目で見られているのでは?と心配になって上司に相談した時に言われた言葉だそうです。
友人「こんな大きなミスをして、もう誰からも信じてもらえませんよね?」
上司「お前が信じていないのは、おまえ自身じゃないのか?もっと自分を信じて仕事をしろ。自信が無いとミスをしやすくなるからな。」
上司にミスしたことを怒られたそうですが、最後にかけてもらった言葉で「ハッ!」としたそうです。
周りの目ばかり気にしていつの間にか自信を無くし、仕事でミスをしてしまったみたいです。
もっと自分に自信を持って仕事に取り組むことの大切さを教えてもらったんですね。
「ミスの無い人は何もしていないやつだ」
ドドヨが初めて就職した会社で、同期が上司に言われた言葉です。
同期がミスしたことを隠そうとしたのですが、他の従業員が上司に報告し呼び出された時に言われた言葉です。
もちろんミスを隠そうとしたことは、こっ酷く叱られましたがミスをしたことはさほど咎められなかったそうです。
「お前がしたミスは取り返しのつくミスだ。何もしないことの方が一番のミスなんだから。」と言われたそうです。
ミスを恐れてばかりでは何も出来ないですし、何も始まりません。
ミスをしてでも頑張って取り組んだことにも意味があるのだということを教わったそうですよ。
部下を育てた失敗談と成功談
これまで部下を育てるためのポイントや部下を目覚めさせる言葉など、良い事例を紹介してきましたが、ここでは成功談の他に失敗談もご紹介していきます。
なぜ失敗談をご紹介するのかというと、人は失敗から学ぶことも多いからですね。
これから紹介する失敗談を参考に、あなたが部下を育てる時に気を付けることが見えるかもしれません。
部下を育てた成功談
まずは成功談からご紹介します。
これも、ドドヨの経験や周りの人から聞いてきた成功談を元にしています。
主に部下や後輩を指導したことのある人たちからの成功談なので、参考にしてみてください。
<成功談その1:自分も一生懸命に仕事してその姿を見せた>
部下に「一生懸命仕事をしなさい。」と言っても上司である自分が怠けていたら信用してもらえなくなります。
部下を指導する時には、大げでもより一層仕事に取り組んで、仕事に対する姿勢を口だけでなく態度でも示した。
部下も「上司があれだけ一生懸命やってるんだから、自分もやらなきゃ」という気持ちになるのでしょう。
<成功談その2:自分がミスした時は素直に謝る>
どんなに小さなことでも自分がミスしたと気が付いたらすぐに素直に謝る上司がいました。
他の上司は誤魔化したり人のせいにしたりする人もいる中、私の直属の上司は「すまん。それ俺が指示出したんだわ。」とどんなに些細なことでもちゃんと謝罪してくれました。
その姿勢を見て、自分もミスしたら誤魔化さず素直に謝ろうという気持ちが強くなりました。
<成功談その3:根気強く部下に仕事を任せた>
部下には少し難しいであろう仕事を任せたが、出来ると信じてフォローをしながらも最後までその仕事をやってもらった。
締め切りギリギリにはなったけど、部下は充実感と達成感で仕事が無事終わってお客様に引継ぎに行った帰りは車の中で号泣していた。
それからその部下はどんな仕事をしても最後まで諦めず根気強く取り組むようになった。
部下の育てた失敗談
これから紹介する失敗談では、部下が辞めてしまったりやる気を失くしてしまったという失敗談です。
あなたもこんな風に部下と接していないか確認できるのではないでしょうか?
<失敗談その1:会社の不満を部下に言った>
上司という立場でありながら、会社や自分よりも上の上司の愚痴や不満を部下にしてしまった。
それがきっかけで、部下は会社に対して不信感を持ち始めて仕事に対するモチベーションが下がってしまったらしい。
その結果、仕事を手抜きするようになったり、注意しても真剣に聞いてくれなくなった。
最終的にはそのような部下の態度が部下自身の評価を下げてしまい、会社にいずらくなって辞めてしまった。
<失敗談その2:部下のSOSサインに気が付けなかった>
仕事で悩んでいるのは知っていたが、仕事を時々休むようになっていったにも関わらず「最近仕事に身が入っていないんじゃないか?」と注意したことがあった。
その後は休まず仕事に来るようになったが、部下は笑わなくなり表情も暗くなっていた。
ある時、他の部署の係長と部下が口論になり「こんな会社辞めてやるよ!」と言って翌日から無断欠勤。
その後は、当然だが解雇されてしまった。
だいぶ後になってからその部下と話す機会があったので、当時の話を聞いたら「仕事で悩んでいるけど、誰にも相談できず一人悩むうちに仕事が嫌になってしまった。」と言っていた。
今考えると、部下はSOSサインを出していたのに自分は仕事の忙しさから見て見ぬふりをしていたことに気が付いた。
<失敗談その3:褒めず叱るだけしかできなかった>
部下が大きな企画の一員として仕事を任せれた時、慣れない仕事でミスが多かったので毎日叱っていた。
だけど、気が利くから一生懸命メンバーのフォローをしていたし、今部下に出来る最大限の仕事をしてくれていた。
でも、自分は部下のミスにばかり目が行き、教育だから・育てたいからという一心でミスするたびに叱っていた。
ある日、部下が「何でこんなに頑張っててもミスしたら怒られて、一生懸命みんなのフォローしてるつもりだけど、そこはみてもらえないんだろう。」と他の人に愚痴をこぼしていたらしい。
それは、部下が人事異動で他の部署に異動した後に知った話だった。
その人事異動も、部下本人の強い希望によるものだった。
本当は企画営業が好きな部下だったのに、私が叱ってばかりいたせいで「自分には向いていないんだ」と他の部署へ異動希望を出したようだった。
叱るだけでなく、部下の良い所や出来るところを分かっていたのだから、きちんと褒めることもすればよかったと後悔している。
部下を育てる~まとめ~
部下を育てるということは、本当に大変なことだと思います。
一言で部下といっても、それぞれに個性があり得意なことも苦手なことも人によって違います。
だから、育て方は1種類じゃないですしマニュアルも無いというのが実際のところではないでしょうか?
部下を育てるのに一番大事なのは「部下のことをよく理解する」ことだと思います。
よく理解することで、その部下に合わせたコミュニケーションの取り方や仕事の任せ方も違います。
それに、叱る時も褒める時もそれぞれ違いますし、能力にも差があるでしょう。
あなたが育ててくれた上司と同じ方法では、今のあなたの下で働く部下には通用しないこともあるでしょう。
部下のことを理解して接していくことで、部下もあなたのことを理解しようとするでしょう。
そうなれば、信頼関係が生まれたりあなたを尊敬して仕事にもより一層頑張って取り組んでくれるのではないでしょうか?
もちろん甘やかせば良いのではなく、悪い時はきちんと叱りましょう。
叱るのはちゃんと理由を明確にしてあげ、感情的にならずに部下を想い叱っているという気持ちを忘れないようにしましょう。
こういう気持ちがあれば、それは部下にも伝わるはずです。
部下もあなたと同じ会社にとっての大事な一員なのです。
近年パワハラ・モラハラという言葉を良く耳にするようになりましたが、大げさに騒ぎ立てるのはよくありませんが、時代が変わりそれに合わせた部下との接し方も知っていかなければいけません。
何度も言いますが、部下を育てるのは大変なことです。
部下に仕事に対する真剣さややる気を求めるなら、上司であるあなたも真剣に部下を育てなければいけません。
最後に、部下を育てた経験がある自分の意見として「部下の成長は自分の成長にもつながる」と思います。
あなたも部下と一緒に成長して、会社を支える大事な一員なんです。