夏は熱中症が多くなる季節で、毎年多くの人が救急搬送されることがメディアにも取り上げられています。
中でも子供やお年寄りは熱中症にかかりやすい傾向にあります。
なぜ子供は熱中症になりやすいのでしょうか?
もし、あなたのお子さんが熱中症になってしまったら?
初期症状で見つけて対処してあげたいですよね。
今回は、子供が熱中症になりやすい原因と初期症状で見つける方法。
そして、もしも熱中症になってしまった場合の対処方法をご紹介します。
目次
熱中症の症状には段階がある
子供は自分が熱中症になっていても、自分から体調不良を訴えることは少ないです。
なので、親御さんがしっかりと見つけてあげないといけません。
そのためには、熱中症はどんな症状なのかを知る必要があります。
ここでは、熱中症の症状を重症度に分けて対処法もご紹介します。
軽度の熱中症の症状と対処法
軽度の熱中症になっている場合は、子供から訴えることが少ない傾向にあります。
そのため、気が付くのが遅くなってしまうことがあります。
症状
めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、大量発汗、こむら返り、生あくび
対処法
涼しい所や日陰に移動して安静にし、身体を冷やしましょう(首・両ワキ・太ももの付け根)。
水分と塩分を補給しましょう。
身体を冷やす場所は、太い血管のある首・両ワキ・太ももの付け根です。
ここに水で濡らしたタオルや袋に包んだ氷水をあててあげましょう。
中度の熱中症の症状と対処法
中度の熱中症になると、子供の様子が明らかにおかしいと気が付くレベルになります。
また、子供の方からも調子が悪いことを訴えるようになるレベルと言えます。
症状
頭痛、吐き気・嘔吐、倦怠感(体がだるい)、虚脱感(力が入らない)、集中力や判断力の低下
対処法
医療機関での診察や処置が必要になります。
軽度の処置を行いながら、医療機関に連れて行きましょう。
重度の熱中症の症状と対処法
重度の熱中症になると、体調不良を訴えられるレベルではなく誰もが様子がおかしいと気が付くほどの症状があらわれます。
緊急を要するような状態なので、素早い処置が必要になります。
症状
真っすぐに歩けない、意識障害・消失、けいれん、呼びかけに反応しない
対処法
救急車を要請し、一刻も早く医療機関を受診しましょう。
入院が必要になる場合があります。
どうして熱中症になるの?
熱中症になるのは主に夏なので、暑さが大きな原因と言えます。
暑くなると身体の熱を上手く逃がすことが出来なくなることで、体温が上昇して熱中症の症状が出るのです。
人は汗をかいて乾く時に気化熱を奪うようになっています。
暑い時に顔が赤くなるのは、血管に血液が拡がり身体の表面から熱を外に逃がそうとするためなのです。
このことで、体温が上がらないように体が調整してくれています。
しかし、体調が悪かったり寝不足などで身体の調子が悪いと、その働きが上手くいかないことがあります。
汗をかくのは体温を下げる大事なことですが、逆に暑い中で激しい運動などをして大量に汗をかくと、身体の水分が減っていきます。
身体の水分が減ると体温が徐々に上がっていき、熱中症になってしまいます。
そして汗を大量にかくことで血液の量が減り、血液循環が悪くなってしまうのも熱中症の原因の一つです。
なぜ子供は熱中症になりやすいのか
子供が熱中症になりやすいのはなぜでしょうか?
原因はいくつか考えられますが、一番の大きな原因と言えるのは地面からの距離です。
気温は地面から150cmくらいの高さで測定をしています。
仮に成人の頭部あたりで32℃の時、地面から50cmくらいの高さでは35℃くらいになっています。
アスファルトの表面温度は50℃になることもあるそうです。
地面により近ければ、それだけ温度が高いということになります。
晴天で無風の日は、風の通りが無いため熱が留まりやすくなります。
そんな中で夢中になって遊んでいる子供たちは、高温の中走り回っているわけです。
たくさん汗をかいても、熱放出が間に合わず熱中症になってしまうケースが多いそうです。
熱中症にならないための予防策
急に熱くなった時や陽射しが強い時、寝不足や疲れなどの体調不良の時は熱中症になりやすいのです。
自分から体調が悪いと訴えることが出来ないお子さんには、予防策が何よりも大切です。
ここでは、お子さんの熱中症予防対策についてご紹介します。
こまめに水分補給をする
子供は新陳代謝が活発なので、汗や尿として体内の水分が多く出ます。
子供が「喉がかわいた」と感じた時は、かなり身体の水分が失われているそうです。
自分でも水分補給をする習慣や、周りの大人が気を付けてあげる必要があります。
熱中症予防には塩分を含むスポーツドリンクがおすすめです。
服装にも気を付ける
子供は「今日は暑いから薄着にしよう」「汗をかきそうだから着替えを持って行こう」などの知識を十分に身につけていません。
外で遊ぶ時、学校へ行く時などは親が気を付けてあげましょう。
気温や湿度などの環境状況に合わせて衣服の着脱も気にしてあげましょう。
陽射しの強い日に外出する時は、帽子をかぶることも忘れないようにしましょうね。
暑い日や陽射しが強い日の外出
日中の日差しが強い時間帯での外遊びをなるべく避けることは、熱中症の予防になります。
気温の高い日や陽射しが強い日は、外気温が高いだけでなく地面の温度もかなり高いです。
身長の低い子供は地面に近い分、地面からの熱を受けやすいのです。
そんな中、夢中になって遊んでいるとどんどん体温が上昇していきます。
周りの大人が陽射しから守ったり、水分補給や日陰で休ませたりすることが重要となります。
暑い環境に置き去りにしない
買い物などで車で出掛け、目的地に着いたら子供が寝てしまっている、ちょっとの時間だから。と車内に置き去りにしてしまうとどうなるでしょう。
エンジンを切った車はみるみる車内温度が上昇します。
外気温にもよりますが、ひどい時は50℃以上になることもあるそうです。
そんな中に少しの時間でも置き去りにしてしまえば、重度の熱中症になってしまう恐れがあります。
また陽射しが当たる場所で、乳幼児をベビーカーに乗せたまま長時間いないことも注意してください。
ベビーカーの中は熱がこもりやすく、思っている以上に暑いそうです。
顔色や汗のかき方を注意して見る
顔色が赤い・ひどく汗をかいている場合は、体温が上昇しています。
子供が夢中になって遊んでいる時は、自分の身体の変化に気が付きずらいのです。
また、年齢の低い子供なら尚更です。
暑い日や熱中症の注意報が出ている時は、特に気を付けてお子さんを観察する必要があります。
顔が赤くたくさん汗をかいている時は、遊びを中断させて涼しいところで水分補給するなどしてあげましょう。
また、汗を拭き取る時は冷たいタオルを使いましょう。
身体の表面を少し濡れた状態にすると、気化熱で熱放射するので体温を下げる効果が得られます。
まとめ
今回は子供の熱中症の症状と対処法や予防方法をご紹介しました。
子供は自分の体調変化に気が付きずらいので、周りの大人たちが気を配る必要があると思います。
熱中症の症状には段階があり、それぞれ軽度・中度・重度ではその症状も対処も異なります。
重度な熱中症は緊急を要し、救急搬送が必要なほど命の危険にさらされます。
中度の熱中症でも、重症化することもありますので注意が必要となります。
子どもが熱中症になりやすいのは、体調管理がまだ自分では上手にできないことも一つの原因です。
また小さな子供が外で遊んでいると、大人が感じている以上の暑さにさらされています。
それは、地面との距離が近い事です。
気温が高く陽射しの強い日は、その影響を大きく受けます。
熱中症にならないためには、周りの大人が注意深く観察することと予防策をしっかりと取ることです。
水分補給や汗のかき方をよく観察しておくなどの予防策は色々とあるので、チェックしてみてくださいね。
熱中症は軽く見てはいけません。「これくらい大丈夫」「少しくらいなら」という油断で過信しないようにしましょうね。