山開きというのはご存知ですか?
海開きは良く聞きますけど、登山が解禁される山開きというのを意外と知らない人も多いそうです。
山開きという言葉は知っているけど、内容や意味はよく理解していない人のために、今日は山開きについてご紹介します。
そして、山と言えば「富士山」。
富士山の山開きの時期や混雑を避けるベストシーズンなどもご紹介していきます。
目次
山開きとは?
山開きとは、その年に始めて登山が許されることです。
昔の人は山は信仰の対象であり登山は宗教的な行事でもありました。
山には神様が居て神聖な場所であることから女性が山に入ることは許されていなかったそうです。
そして、男性であっても誰もが山に入れるわけではなく修行者や僧侶などしか入山は許されていなかったそうです。
しかし、夏の一定期間だけ入山を許している時期がありました。
その入山が可能な期間の始まりを示す行事が山開きとされていました。
山に神社がある所は、今でも山開きの行事を行っているところが多いです。
現在の山開きは昔とは少し意味合いが変わってきており、安全面を重視して設定されているのがほとんどです。
山開きをしていない時期でも山に入ることは可能ですが、危険を回避するためにも山開き期間中に入ることをおすすめします。
富士山の山開き
日本ではもちろんですが、海外でも有名な日本のシンボルともいえるのが富士山ですね。
富士山にも山開きがあるのですが、他の山の山開きとは少し違う点があるそうなのでご紹介します。
富士山には複数の登山ルートがありますが、そのルートによって山開きの時期が違うんですよ。
<富士山の登山ルートと山開き時期>
- 吉田ルート 7月1日~9月10日
- 須走ルート 7月10日~9月10日
- 御殿場ルート 7月10日~9月10日
- 富士宮ルート 7月10日~9月10日
- お鉢巡り歩道 7月10日~9月10日
吉田ルート(山梨県側)は毎年7月1日に山開きを行い登山が可能になり、須走・御殿場・富士宮ルート(静岡県側)は、7月10日山開きが行われます。
山開きの後だから必ず安全に登山が出来るとは限りません。
7月上旬はまだ積雪が残っていたり、それが原因で過去には下山ルートが閉鎖されたこともあるそうです。
油断せずに、万全の準備と注意する心がけを忘れず登山しましょう。
富士登山は激込み?!ベストシーズンは?
富士山は山開きをしてから2ヶ月間が登山シーズンとなるわけですが、この期間内でもベストシーズンに登山したいですよね?
ここからは、富士登山に関する気候や混雑状況をご紹介し、さらにおすすめの時期ずらし情報もご紹介していきますよ!
梅雨明け情報が超重要!!
富士山の山開きは7月上旬ですが、この時期はまだ梅雨の真っ只中。
雨が降りやすい日が続きますので、晴れている日を狙ってタイミング良く登山をするのは難しいでしょう。
雨が降ると登山は難しくなりますし、せっかく富士山に登っても景色を楽しんだり日の出・日の入りを眺めることが出来なくなります。
雨が降れば厳しい山道もより滑りやすくなりますので、体力もとても消耗します。
ですので、富士登山は梅雨明けの7月下旬からがオススメです。
お盆時期や週末は激込み!平日登山がおすすめ
梅雨明けの7月下旬からが富士登山のおすすめ時期だとご紹介しましたが、他の登山者もやはり「梅雨明けから富士山に登ろう」と考えています。
特にお盆は家族や友人同士の休みが合いやすいのでとても混むそうです。
また、お盆時期を外したとしても週末は登山者が多く、時間帯によっては登山道が大渋滞になり計画通りに登山ができないこともあります。
山頂でのご来光を楽しみにしていても見られないこともあります。
また、ゆっくり自分のペースで登山をしたいのに、後ろがつかえているから急かされてしまうことも。
また、山小屋もすぐに予約で埋まってしまうので利用できない可能性が高いです。
なので、平日登山を狙って行きましょう。
お仕事の都合もあるかと思いますが、富士山に登る機会なんて人生でそうない事なので、思い切って平日休暇を取ってみるのもいいかもしれませんよ。
富士登山「時期ずらし」
ここでは、富士登山オフィシャルサイトからのおすすめ情報をご紹介していきます。
そのおすすめ情報とは「ずらして快適富士登山!」という時期や曜日・時間帯を少しずらして人が少ない時を狙うことです。
まずは、時期ですがやはりお盆時期はかなり混むそうです。
平成26年は、8月2日(土)が一番登山者が多く、それ以外はお盆前後の土曜日。
さらに、7月20日(日)の海の日前日も混雑していましたが、平日である8月13日(水)もお盆時期ということでしょうか、かなり混んでいたそうです。
また、平成27年は前年と同様で7月19日(日)の海の日前日が一番混んだそうです、それ以外はお盆時期の土曜日が混雑したそうです。
一番混むのは「海の日(7月第3月曜日)」の前日とお盆期間中の週末なので、まずはこの時期をずらしてみましょう!
富士登山「曜日ずらし」
「時期ずらし」でも見ても週末の登山者数は大変多いのが分かりますよね?
各曜日の平均登山者数を見ていただければ「曜日ずらし」が効果的かよくわかると思います。
<富士登山の曜日毎登山者数の平均>
- 月曜日・・・2,419名
- 火曜日・・・2,247名
- 水曜日・・・2,138名
- 木曜日・・・2,174名
- 金曜日・・・3,092名
- 土曜日・・・5,531名
- 日曜日・・・3,066名
平日と土曜日の登山者数を比較すると、土曜日は平日の2倍の登山者がいることが分かります。
金曜日や日曜日も3,000名を超えていますよね。
これを見れば、いかに「曜日ずらし」がおすすめか分かりますね!
富士登山「時間ずらし」
黄色い線の「吉田ルート」の登山者数に注目してみましょう。
3つのピーク時間帯があり、日帰り登山者は早朝に出発し、山小屋に宿泊する登山者は夕方頃、そしてご来光を目指す登山者は深夜。
この3つのピークを避けるためには1泊2日でお昼前に出発し、早めに山小屋に到着するような登山計画がオススメです。
富士登山「ルートずらし」
富士登山で最も人気のルートは「吉田ルート」です。
全ルートの約58%の人が吉田ルートを登っています。
参考までに他のルートの割合も見てみましょう。
<富士山各ルートの登山者割合数>
- 吉田ルート 58.3%
- 須走ルート 10.2%
- 御殿場ルート 6.7%
- 富士宮ルート 24.7%
全体の6割近い人が吉田ルートを登っていますので、ゆっくりじっくり登山を楽しみたい人は、他の空いているルートも検討してみましょうね。
ただし、ルートごとに難易度や特徴がことなりますので、無理しないように自分にあったルートを選びましょう。
富士登山「場所ずらし」
富士山からの「御来光」を見るのが目的で、富士山に登る人も多いのではないでしょうか?
いくら夏とはいえ、御来光を待っている間じっと動かず待っていると寒くて大変です。
御来光を眺めるスポットで一番人気は、やはり山頂です。
しかし、混雑したりじっと待っているのが寒くて耐えられない場合は、これからご紹介する「場所ずらし」をチェックしてください。
各ルートで山頂以外の御来光スポットはこちら!
<富士登山ルート別の御来光スポット>
- 吉田ルート 五合目以上の登山道から見える
- 須走ルート 樹林帯を抜ければどこからでも見える
- 御殿場ルート ほぼどこからでも見える
- 富士宮ルート 場所により富士山の稜線から登るように見える
富士山頂以外で御来光を見る場合、例えば山小屋から見るのでしたらギリギリまで寝ていられますし暖を取ることもできます。
また、御来光を見ながら歩けば足元や周りが明るくなるので、安全に景色も楽しむことができますよ。
さいごに
山開きの意味や、富士山の山開き・混雑を避けるベストシーズンをご紹介させていただきましたがいかがでしたか?
富士山は平成25年(2013年)に世界遺産に登録されてから、登山客が増えたそうです。
最後に、富士山に登る時のマナーを紹介させていただきます。
富士山は国立公園特別保護区地区内及び特別名勝指定区域となっています。
法律で禁止されている行為やマナーなどがあります。
「こんなこともダメなの?!」ということもあるので、しっかりとチェックしてくださいね。
<法律で禁止されている行為>
●動植物の採取禁止
花・実を採ったり、昆虫採取もできません。
●溶岩・石の持ち出し禁止
溶岩や石の持ち帰りや移動させることも禁止です。
●落書きの禁止
建造物はもちろんですが、岩や石などへの落書きも禁止です。
●テント設営・焚火の禁止
テントサイトが無いので、宿泊は山小屋を利用してください。
焚火は禁止ですが、バナー・コンロは使用可能です。
周囲に山小屋が無いこと・人込みでは使用しないようにしましょう。
●ペットなどの放し飼い禁止
特別保護区で動物を放すことは禁止されています。
山小屋にペットを入れたり、ペット同伴の登山は避けましょう。
登山道は火山砂利なので、ペットの足にダメージを与える可能性があります。
上記の禁止事項に違反した場合は、罰則が与えられます。
<富士山カントリーコード>
- ゴミは絶対に捨てず全て持ち帰る
- ゴミになる物は持ち込まない
- 登山道外を歩かない
- 登頂記念の落書きをしない
- 溶岩樹型塘の特殊地形を壊さない
- トイレなどの公共施設は綺麗に使用する
これらのカントリーコードを守る目的は、美しい富士山を後世に引き継ぐためです。
<富士登山のマナー>
- 登山道はのぼりが優先
- 無理な追い越しをしない
- 落石を起こさせない。落石を起こしたら大きな声で周りに知らせる
- ケガなどで助けを求める人がいたら救助に協力する
- 登山ストックの先端にキャップを着ける
- 小屋内での休憩は静かに
- 鳥獣の巣を見つけても近づかない
カントリーコードや登山のマナーは富士山に限ったことではありません。
他の山を登山する時にもぜひ参考にしてくださいね。