鬼滅の刃に登場する「鎹鴉(かすがいがらす)」には、鬼殺隊の隊員それぞれの相棒としてついています。
今回は、鎹鴉の役割や主要キャラの鎹鴉の名前・読み方などをご紹介していきます。
ちなみに、雷の呼吸を使う我妻善逸についているのは鎹雀(かすがいすずめ)ですが、一緒にご紹介していきますよ。
目次
鎹鴉とは?
最初「鎹鴉」←コレなんて読むの??と思った人も多いでしょう。私もです(笑)
「鎹鴉」は❝かすがいがらす❞と読みます。
そして使われている漢字ですが、普段よく私たちが目にするカラスの漢字は「烏」ですが、ここでは「鴉」という漢字が使われています。
支給品
鬼殺隊への入隊選別を通過した者は3つの支給品を渡されます。
身を守るため、特別な生地を使った「隊服」、鬼の首を斬るための「日輪刀」。
そして伝達役を担う「鎹鴉」です。
現代のようにメールやSNSなどが無い大正時代ですから、非常に画期的ですよね。
柱などの強い隊士には飛行速度の速い鴉がつくようです。
役割
鎹鴉の役割は主に鬼殺隊の当主である産屋敷耀哉(うぶやしき かがや)からの指令を伝達します。
鎹鴉からの伝達は、お館様からの直々の指令ということです。
それ以外にも、上官である柱からの任務を伝えることもあるようです。
時に鎹鴉は、相棒である隊士を鼓舞したりアドバイスなんかもします。
特に我妻善逸の相棒である鎹雀は、臆病で泣き叫んでいる善逸を鼓舞している姿をよく目にしますが、残念ながら善逸は雀の言葉が理解ないようです(笑)
名前について
鎹鴉の名前は、誰の鎹鴉ではない時の「幼名」と隊士についてからの名前があります。
幼名は産屋敷家の当主であるお館様がつけているそうです。
隊士についてからは「幼名のままがいい」という鴉や、隊士が名前をつける場合もあります。
また、炭治郎の鎹鴉のように自ら名を付けて名乗る鴉もいるようです。
ついていた隊士が亡くなってしまった場合は、別の隊士につくこともあるそうですが、その際は前の隊士がつけていた名前を尊重するそうです。
各隊士と鎹鴉 一覧
次に、各隊士についている鎹鴉をご紹介していきます。
鎹鴉の主名と共に、名前・読み方・性別やその鴉に関するプチ情報もご紹介していきます。
天王寺松右衛門(竈門炭治郎)
主人公の竈門炭治郎についている鎹鴉の名前は「天王寺松右衛門」です。
読み方は「てんのうじまつえもん」で、自ら名乗っています。
性別はオスで、口調も人使いも荒い性格な上に、とても自信家なので人や同じ鎹鴉に対して毒を吐く事もしばしば。
頭脳明晰で優秀なので、伝令だけでなく様々な情報を炭治郎に伝えてくれます。
(鼓の屋敷で、稀血に関する情報を伝えたりしています。)
非常に大きな声で荒っぽい言葉遣いをしますが、根は優しく温かい面もあるそうです。
うこぎ(我妻善逸)
我妻善逸についているのは鎹鴉ではなくオスの「鎹雀」で「うこぎ」という名前ですが、善逸からは「チュン太郎」と呼ばれています。
うこぎには家族を鬼に殺された過去があります。
鬼に恨みがあるが自分では鬼を倒すことができないので、自ら志願して鬼殺隊の伝令役になったそうです。
いつも後ろ向きで臆病な善逸を一生懸命に励まし鼓舞していますが、善逸と意思疎通が取れないのでちょっと可哀想な面もあります。
那田蜘蛛山での兄蜘蛛との闘いでは、瀕死状態の善逸に対して涙を流しながら励ましています。
助けに来てくれた蟲柱・胡蝶しのぶを呼びにいったのは、うこぎではないかと言われています。
しかし、うこぎは人語を話すことができないため、しのぶさんに説明するのに相当苦戦したようです。
どんぐり丸(嘴平伊之助)
嘴平伊之助についている鎹鴉の名前は「どんぐり丸」というオスの鴉です。
伊之助はツヤツヤのどんぐりが好きなので、鴉の名前も伊之助がつけたと思われます。
どんぐり丸は非常に優秀な鎹鴉なのだそうですが、見かけることが少ないです。
理由は、伊之助に食料だと認識されており、すでに18回くらい伊之助に食べられそうになっているので、ずっと隠れているそうです。
これは大正コソコソ噂話で明かされている事実で、どんぐり丸が木の陰から顔を出しているのですが、その姿がボロボロになっています。
しかし、無限城では伊之助を上弦の弐 童磨へ導き、伊之助は「ドンピシャじゃねぇか 鴉の道案内はよォ!!」と言っています。
無限城でのどんぐり丸と伊之助の一コマ
童磨は伊之助の母親の仇であるため、そこに導いたのであれば本当に優秀な鎹鴉ですね。
五十鈴(栗花落カナヲ)
栗花落カナヲについている鎹鴉は五十鈴(いすず)というメスの鴉です。
自らあまり言葉を発さないカナヲですが、鎹鴉との意思疎通は出来ているようです。
カナヲをあまり追い立てることもなく、むしろ感情表現をあまりしないカナヲを心配する優しい鴉です。
榛(不死川玄弥)
炭治郎・善逸・伊之助・カナヲの同期である不死川玄弥の鎹鴉は榛(はしばみ)というオスの鴉。
鬼殺隊最終選別を終えた後、白髪と黒髪から支給品の説明を受けている時に、「どうでもいいんだよ 鴉なんて」と追い払わているのが榛です。
炭治郎の鎹鴉である松右衛門とは仲が悪くその様子が描かれている場面があります。
柱稽古の際に玄弥が炭治郎の額の痣が濃くなっていないか?と伝えたのですが、炭治郎はそれに気が付いていませんでした。
その時に「鏡もってねぇのか?後で貸してやるよ」と話している場面の後ろの方で、榛と松右衛門が悪口を言い合っている姿が描かれています。
寛三郎(冨岡義勇)
水柱 冨岡義勇の鎹鴉はオスの鎹鴉である寛三郎(かんさぶろう)です。
寛三郎は高齢のためか、伝達を聞き間違えることが多いそうです。
また、鬼との戦闘中でもトコトコ出て来たりすることもあり、義勇をハラハラさせることもあるそうで、その様子は漫画の本編では登場しませんが、単行本の扉絵の空きスペースで描かれています。
無限城での猗窩座戦の真っ只中に「指令ジャ・・・」と言いながらヨボヨボと出てきたり、「義勇・・・大丈夫か・・・」と炭治郎の頭にとまりスリスリしたりして、松右衛門(炭治郎の鴉)に怒られています。
無限城では移動中に目的地と違う方向に飛び立とうとする寛三郎を引き止める様子も描かれています。
思わず「柱には優秀な鴉がつくのでは?」と思ってしまうような行動が多々見られます。
艶(胡蝶しのぶ)
蟲柱 胡蝶しのぶの鎹鴉は艶(えん)というメスの鴉です。
那田蜘蛛山の戦いのあとに登場した2羽の鎹鴉のどちらかが艶だと思われます。
また、炭治郎と炎柱である煉獄杏寿郎を繋ぐという重要な役割もしているそうです。
那田蜘蛛山戦後、蝶屋敷で「機能回復訓練」が終わったくらいに無限列車への任務に向かった煉獄さん。
その煉獄さんに「ヒノカミ神楽」について聞いてもらうよう艶にお願いしています。
その後、無限列車の任務に向かった炭治郎が煉獄さんと合流し「ヒノカミ神楽」について聞いた時に初耳だという様子だったので、艶からは話を聞いていなかったのか、もしくは任務で忙しく煉獄さんが覚えていなかったのかもしれませんね。
いずれにしても、しのぶさんと艶が炭治郎と煉獄さんを繋げてくれたのは間違いないようですね。
要(煉獄杏寿郎)
炎柱 煉獄杏寿郎の鎹鴉は要(かなめ)というオスの鴉です。
単行本 第66話 黎明に散るの扉絵で煉獄さんの肩に乗っている鴉が要だと思われます。
また、煉獄さんの訃報を煉獄家に伝えるシーンが単行本の幕間スペース描かれています。
幕間ではコミカルな話が多い中、このシーンでは悲しい画になっています。
また、鬼滅の刃 映画「無限列車編」では原作にはない要の涙のシーンが描かれています。
煉獄さんの死を見届けた要は、その訃報を報告するため飛び立つのですが、そのシーンで要の目から涙が溢れているのです。
要は煉獄さんの訃報を煉獄家に伝えにいくことが一番辛いお仕事になったでしょう。
そして、亡き主である煉獄さんの意を汲んで炭治郎を煉獄家へ導いたのも要です。
そこで、煉獄さんの弟である千寿朗くんと炭治郎が出会うことができ、後のストーリーでもこの出会いが炭治郎にとって大きな出来事となります。
恐らくですが、要は煉獄さんが亡きあとは煉獄家で千寿朗くんと共に過ごしているはずです。
その証拠に、「歴代炎柱の書を修復し何か分かったら鴉を飛ばします」と千寿朗くんが言っていること。
そして無限城での猗窩座との戦闘中に千寿朗くんから炭治郎に向けて手紙を渡すために鴉を実際に飛ばしていることから、要は煉獄さん亡き後も煉獄家と繋がっているようです。
虹丸(宇髄天元)
音柱 宇髄天元の鎹鴉の名前は虹丸(にじまる)といい、オスの鴉です。
主と同じく派手好きで、宝石などの装飾で着飾っています。
鴉界(?)ではファッションリーダー的な存在で洒落者で通っています。
吉原遊郭では、潜入任務に当たっていた3人の妻と宇髄の連絡係を担っていました。
また、遊郭で上弦の陸との戦いで、宇髄の危機を鬼殺隊本部に報告に行った可能性もあります。
戦いは終わってしまっていましたが、蛇柱 伊黒小芭内が駆けつけています。
銀子(時透無一郎)
霞柱 時透無一郎を溺愛しているのが、無一郎の鎹鴉である銀子(ぎんこ)です。
性別はメスで無一郎を溺愛するあまりに自慢話をよくしており、他の鎹鴉と言い合いになることがよくあります。
まつ毛が長いのが特徴的で、よく喋ります。
無一郎が無限城にて、上弦の壱 黒死牟(こくしぼう)から致命傷を負った時は必死に助けを呼びに行っています。
そして、口が達者な炭治郎の鎹鴉 天王寺松右衛門とは特に仲が悪いそうです。
しかし鬼舞辻無惨との最終決戦後、溺愛してた主を無くした銀子は痩せ細り具合を悪くしていたそうです。
それを慰めたのがなんと天王寺松右衛門なのです。
やがて二羽は夫婦になったそうです。
麗(甘露寺蜜璃)
恋柱 甘露寺蜜璃にはメスの麗(うらら)という鎹鴉がついています。
頭に三つ葉のクローバーの形をした飾りをつけている可愛らしい鴉です。
もじもじしていて臆病な性格なのも、主にそっくりです。
また、甘露寺とお茶をする機会が多く甘党になったそうです。
原作ではあまり登場場面が少なく、煉獄さんの訃報を伝えた時と刀鍛冶の里編後の柱合会議の時に登場しています。
夕庵(伊黒小芭内)
蛇柱 伊黒小芭内の鎹鴉は夕庵(ゆうあん)というオスの鴉です。
夕庵は、伊黒が鬼舞辻無惨との決戦で大きな力を得るために重要な情報を伝えた鴉です。
霞柱 時任無一郎が日輪刀の刃を赫くした様子を伊黒に伝えたのです。
そのおかげで、伊黒が赫刀の発言条件を見出すことに繋がっています。
伊黒は分析力に優れているため、鴉からの情報を伝令としてだけでなく、その状況を読み解いて戦闘に活かしていたようです。
夕庵はそんな伊黒の特徴を把握していたからこそ、様々な情報を伝えていたのでしょう。
そのことにより、無惨との戦いで活躍したと言ってもいいでしょう。
爽籟(不死川実弥)
風柱 不死川実弥の鎹鴉はオスの爽籟(そうらい)という鴉です。
爽籟は、産屋敷家が鬼舞辻無惨に襲撃されたことを不死川にいち早く報告した鴉で、不死川は誰よりも早くその状況を把握して、お館様の元にたどり着いています。
無限城での上弦の壱 黒死牟との戦いで、弟である不死川玄弥が両腕・胴体と脚を両断しています。
それでも死なない玄弥を見た黒死牟は、玄弥が鬼喰いであることに気が付き首を切断しようとするのです。
その時、玄弥を背中で庇いながら「テメェは本当にどうしようもない弟だぜ」と実弥が駆け付けています。
これも爽籟が実弥に戦況を報告し、更には主の弟である玄弥のピンチを伝えた爽籟の功績だと言えるでしょう。
絶佳(悲鳴嶼行冥)
岩柱 悲鳴嶼行冥の鎹鴉はオスの絶佳(ぜっか)という鴉です。
悲鳴嶼さんは目が見えないので感覚が非常に研ぎ澄まされており、敏感に反応できます。
しかし、目でしか分からない状況もあるはずです。
絶佳は伝令だけでなく悲鳴嶼さんには見えない情報を随時報告していたのではないでしょうか?
無限城での上弦の壱 黒死牟と対峙した霞柱 時任無一郎が不利な状況に陥り、最大のピンチを迎えた時に悲鳴嶼さんが駆けつけています。
これは、悲鳴嶼さんの鎹鴉である絶佳が最終決戦の戦況を悲鳴嶼さんに逐一伝えていたからだと考えられます。
作中での登場は少なく、煉獄さんの訃報を伝える場面に登場しています。
産屋敷家の鎹鴉
最後は産屋敷家の鎹鴉ですが、名前も性別も不明とされています。
鬼殺隊の当主である産屋敷家に仕える鎹鴉は、首元にフサを巻いており見た目からしても高貴な雰囲気です。
また、他の柱や一般隊士の鎹鴉とは違い、とても流暢に言葉を話すことが出来るようです。
原作ではそれを表現するために、産屋敷家の鎹鴉のセリフには漢字・ひらがなというように人が話す言葉と同じ様に表現されています。
ちなみに、柱や一般隊士の鎹鴉は漢字とカタカナで表現されています。
こうしたことから、産屋敷家の鎹鴉は他の鴉たちとは違い、産屋敷家一族に相応しい優秀な鴉がついていると思われます。
鎹鴉のコソコソ噂話
ここからは原作・アニメ・映画などでは描かれていない、鎹鴉たちの小ネタを「コソコソ噂話」としてご紹介していきます。
集会場
それぞれの隊士についている鎹鴉は、任務の際は隊士に同行しているようですが、それ以外の時は「鎹鴉の集会場」に居ることがあるそうです。
集会場では、自分がついている隊士の自慢話をしたり、時には愚痴などで盛り上がることもあるようです。
各隊士や特に柱たちが様々な情報を共有したり把握しているのは、鎹鴉の集会場で得た情報を主に伝えているのかもしれませんね。
鬼舞辻無惨を倒した後
鬼の始祖である鬼舞辻無惨を倒し平穏な世界になった後、産屋敷家の新たな当主と務めた産屋敷輝利哉様の元で行われた柱合会議。
水柱 冨岡義勇と風柱 不死川玄弥が会議に出席しています。
その中で、輝利哉様は「鬼殺隊は今日で解散する」と告げられます。
柱をはじめとするそれぞれの隊士は元の生活に戻っていく中、鎹鴉や鎹雀たちはどのように過ごしているのでしょうか?
鬼殺隊に協力していた鴉や雀たちは、みんな自由に過ごしているそうです。
産屋敷家と縁が深い隊員たちに会いに行ったりもしているそうで、お付き合いは続いているようですね。
もしかしたら、離れ離れになってしまった隊士同士を繋ぐ連絡係や、折々で近況を報告するうための手紙を運んだりもしているのではないでしょうか?
鎹の意味
「鎹鴉」や「鎹雀」は造語のようで、なので何らかの意味を持たせるために「鎹」という言葉を使ったと考えられます。
鎹鴉や鎹雀の「鎹(かすがい)」とはどういった意味があるのでしょうか?
- 材木と材木とをつなぎとめるために打ち込む、両端の曲がった大釘。
- 人と人とをつなぎとめるもの。「子は鎹」
- 戸締まりの掛けがね。
①の木材と木材とをつなぎとめるというのは「産屋敷一族と隊士たち」に当てはまると思います。
そのために鴉や雀が伝令役として仕えているのでしょう。
それ以外にも、②人と人をつなぎとめるもの。として「子は鎹」ということわざがあります。
子は夫婦の縁をつなぐ鎹のような存在という意味があります。
これに当てはめると産屋敷家一族と隊士は夫婦の関係であり、鴉や雀は子の存在となりますね。
作者はこの3者のつながりを家族のような関係を表したかったのかもしれませんね。
その証拠に、産屋敷家当主のお館様は柱や一般隊士たちを下の名で呼び「子供たち」と表現しています。
お館様は鬼殺隊員を家族のように大切にしていましたね。
さいごに
今回は、鬼滅の刃に登場する「鎹鴉」や「鎹雀」についてご紹介しました。
鬼殺隊員一人ずつについている鎹雀や鎹雀は相棒とも言える大切な存在です。
ついている隊士に様々な伝令や情報を伝えるだけでなく、相棒がピンチの時には救援を伝えるために飛び立ち、時には隊士を鼓舞したりと様々な活躍をしてくれます。
煉獄さんの鎹鴉である要のように、主が亡き後も主やその家族・仲間のために役目を果たす鴉もいます。
炭治郎が最終選別を終えた後に鎹鴉を支給された際、黒髪から「鎹鴉は主に連絡用の鴉でございます」と説明されています。
しかし、鎹鴉や鎹雀は連絡役だけでなく相棒である隊士たちにとってなくてはならない存在であることが分かりますね。
そんな点にも注目して原作やこれから始まる鬼滅の刃アニメ2期の遊郭編もご覧になってみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。