前にもちょっと触れましたが、ドドヨはフルートを約30年くらい吹いています。
今までフルートの歴史や種類などは何となく知っていたのですが、それほど深く知ろうとはしていませんでした。
ある時、フルートのこともっと知りたいなぁ。と思ったんです。
それは、フルートの歴史や種類など色んなことを知ることで、よりフルートを好きになって楽しく楽器を演奏する時間が増えるんじゃないかな?と思ったのです。
フルートの色んなことを知るたびに「意外と面白い!誰かに教えたい!」と思ったので、今日はドドヨの好きなフルートのことを書いていこうと思います。
ドドヨみたいに趣味でフルートを演奏してる人や、これから部活で吹奏楽部に入ってフルートを始めてみようと思っているアナタ。
またお子さんにフルートを習わせたいから、どんな楽器なのか知りたい!という親御さん。
フルートに興味を持っている方が面白いと思う情報をご紹介していこうと思います。
目次
フルートの歴史で意外な事がわかった!
皆さんはフルートにどんな印象を持っていますか?
横笛、繊細で綺麗な音を奏でる、値段が高そう、吹いている姿がステキ♪
周りの人に聞いてみたらこんな印象を持っているみたいです。
でも、フルートの歴史について知っている人はとても少ないですね。
ドドヨもちゃんとは分かっていませんでした。
フルートの歴史は古く横笛を指して「これはフルートです!」となったのは明確になったのはまだ曖昧なところがあるようです。
リードなどの振動ではなく、息だけで発音する楽器をフルートと捉えるのなら、旧石器時代までさかのぼることが出来るんです。
ここでは、フルートの歴史から意外なことが分かったのでご紹介していきます。
フルートの歴史~古代
最も古い物として約4万年前にクマの足で作られた笛がスロヴェニアの洞窟で発見されているそうです。
さらに数千年前は動物の骨で作られた横笛が各地から出土しているのです。
この、動物の骨で作られた横笛は、宗教的な儀式に使われていたのでは?と考えられているそうです。
これがフルートの始まり・祖先であるとみている人が多いそうです。
フルートの様な横笛として、いつから人々に使われたのかははっきりしていませんが、一説によると、紀元前後のインドで発祥し中国や日本にも伝わり、その後シルクロードを伝いヨーロッパに渡ったのでは?という考えがあるそうです。
楽器の発祥は西洋のイメージが強かったのですが、横笛の歴史は東洋が始まりだったのかもしれませんね。
フルートの歴史~ルネサンス時代
現代で用いられているフルートの原型はルネサンス時代の16世紀から現れ、広く使われたそうです。
もともとフルートは、横向きに構える笛と、縦向きに構える笛の両方に使われていました。
驚くことに縦笛のリコーダーもフルートと呼ばれていたのです!!
18世紀半ばまではフルートという呼び名はリコーダーのことを指し、その後はリコーダーと区別をするため横笛のフルートは次のように呼ばれていました。
- イタリア語「Flauto toraverso(フラウトトラヴェルソ)」
- ドイツ語「Querflote(クヴェアフレーテ)
- フランス語「Flute traversiere(フリュートトラヴェルシエール)」
いずれも「横向きのフルート」という意味があるそうです。
この頃のフルートは木製の円筒形でトーンホールは6つしかなく、キーも無く分割も無かったそうです。
大きさも様々あり、ソプラノ・アルト・テナー・バスと種類があり、それぞれ音色も音量も違っていたそうです。
このようなフルートを、現在ではルネサンス・フルートと呼んでいます。
フルートの歴史~バロック時代
この時代のフルートというのは縦笛(リコーダー)を指しており、現在のフルートの原型となった横笛は「フラウト・トラヴェルソ」(横に吹くという意味)と区別されていました。
フラウト・トラヴェルソの多くは木製で、頭部管~足部管にかけて細くなっています。
トーンホールは7つあり、そのうちの一つ(右手小指)にはキーが付いています。
ルネサンス・フルートに比べて音が小さく、暗い音だったそうです。
しかし、低音域~高音域の音色に統一感が生まれ、音色が多様で繊細な表現が可能になったのです。
この時代のトラヴェルソは「バロック・フルート」とも呼ばれることもあります。
フルート・トラヴェルソを演奏することは王候貴族のたしなみという風習があったようです。
フルートの歴史~古典派・ロマン派初期
18世紀半ば~19世紀前半の古典派時代になると、半音階や高音域を演奏できるようにするために、キーメカニズムが付け加えられました。
最高で17ものキーがついた楽器があったそうです。
必要に応じてつけられたものではなく、統一されていたわけではないので、運指もとても複雑であったそうです。
バロック時代の1キーフルートと区別するために「クラシカル・フルート」「ロマンチック・フルート」と呼ぶこともあります。
フルートの歴史~1830年代
フルートを吹いている人なら割と知っている「ベーム式フルート」はこの時代に改良されたものです。
ドイツのフルート奏者で製作者でもあるデオバルト・ベームにより本格的に改良を行いました。
トーンホールを大きくすることで大きな音が出るようになり、リングキーを採用して1本の指で複数のキーを動かすことで、半音階の演奏が楽になりました。
これをベーム式メカニズムと言います。
その後も改良を続けたベームは、1847年に管体を木製から金属に変え輝かしい響きを生み出しました。
こうしてベームの大改良によって、フルートは飛躍的に進化し現代のフルートとほぼ同じ物となりました。
フルートの種類
さて、ここからはフルートの種類をご紹介していきます。
「え?フルートってあの銀の横笛がフルートでしょ?種類なんてあるの?」と思うかもしれませんが、フルートには同族楽器と言って大きさの違う楽器があるのです。
リコーダーのソプラノ・アルト・テナー・バスと種類があるのと同じ感じですね。
アナタも知らないフルートがあるかもしれませんよ!
ピッコロ
イタリア語の「小さい(piccolo)」が楽器名の由来だそうです。
全ての管楽器の中でも一番高い音が出る楽器で、がフルートの半分くらいの長さです。
フルートと同じC管で運指も同じですが、実際に出ている音はフルートの1オクターブ上が出ています。
構造はフルートフルートとほとんど同じですが、頭部管と胴部管の2つで足部管はありません。
素材は木製がほとんどですが、頭部管だけが金属製というのもありリッププレートがついています。
木製の他にも合成樹脂のピッコロもあります。
ドドヨは合成樹脂のピッコロを使っています!!
管が短いので、音程を取るのが難しい楽器でもあります。
音色はフルートとは違い、音量が大きいので小さい音を出すのが難しいという点があります。
そして、華やかな音でとても目立つのでサウンド全体の輪郭作りをする役割や、ここぞ!という時に活躍するのがピッコロです。
ピッコロが活躍する代表的な曲は、スーザ作曲「星条旗よ永遠なれ」です。
ソプラノフルート
ソプラノフルートはEs管の楽器で、フルートよりも短3度高い音が出ます。
オーケストラや吹奏楽ではまず使用しない楽器で、活躍の場は主にアンサンブルやソロで使われます。
1960年代アメリカの楽団で、当時はまだ高価であったEsクラリネットの代用品として使われていたそうです。
補足:短3度=この場合はドの運指で3度上のミ♭の音
フルート(コンサートフルート)
誰もが知っているフルートはコンサートフルートとも呼ばれ「C管」の楽器です。
音域は3オクターブ(C4~C7)で、クラシックだけでなくジャズやボサノヴァなど活躍の幅が広いです。
オーケストラや吹奏楽の合奏体だけでなく、アンサンブルや独奏としても活躍できる楽器です。
構造は頭部管・胴部管・足部管の3つに分かれています。
足部管にはC足部管とH足部管の2種類があり、C足部管の最低音はC4なのに対し、H足部管はB3になります。
素材は、洋銀・銀・ゴールド・プラチナなどの金属の他に、木製の物やプラスチック製のフルートもあります。
金属製のフルートは明るくキラキラとした音色が特徴なのに対し、木製は温かみのある音色が魅力です。
キーは、空気の漏れを完全に塞ぐカバードキーと、リングキーというリング状のキーで空気の振動を直接指先で感じ取り響きのニュアンスをコントロールすることが出来ます。
フルートの魅力が楽しめる曲「カルメン・ファンタジー」
演奏は、ドドヨの大好きなエマニュエル・パユ
アルトフルート
アルトフルートは「G管」で、フルートよりも完全4度低い音が出ます。
長さはフルートの1.5倍もある約90cmで、重さは2倍近くあります。
そのため、ストレート管とU字管の2タイプがあります。
低音域や中音域は豊かで柔らかい響きですが、高音域は少し硬い響きになります。
フルートと同じ指遣いですが、ドの運指でソの音が出ます。
補足:完全4度=ドの運指でソ、レの運指ではラの音
バスフルート
バスフルートはアルトフルートよりも低い音域を担当しています。
フルートと同じ「C管」ですが、同じ運指でも1オクターブ下の音が出ます。
大きさはフルートの約2倍で、重量もあるので胴部管に楽器を支えるための支持棒が付いています。
頭部管はU字になっており、管体も太いので唇から腕まで距離が遠くなり、フルートを拭いている日がバスフルートを吹くと、楽器を吹く姿勢で戸惑うくらいです。
バスフルートは吹奏楽やオーケストラではほとんど用いられることがありません。
独奏曲や室内楽、主にフルートアンサンブルで活躍し中低音を担当します。
音域は低音部記号の第2間のCから、3オクターブ(実際に使われるのは下から2オクターブ程度が多い)です。
コントラバスフルート
コントラバスフルートはフルートに比べてはるかに大きく、同じフルート族なのに別物のように見えてしまうほどの迫力です。
その大きさは、全長約180cm、管の長さ2.7m、重さは約4kgとビックサイズです!
数字の4のような姿で、吹き口は横向きですが運指部分は縦になっているので、一見フルートには見えない姿です。
フルートと同じ「C管」ですがフルートの2オクターブ下の音が出ます(チェロやトロンボーンの音域に近いです)。
吹奏楽やオーケストラで登場することはまずありませんので、主にフルートアンサンブルで用いられ、名前の通りコントラバスのような役割をします。
音色は聞きなれたフルートの音からは想像できないほど、低く太く響きます。
他のフルート族より音は出しやすいそうですが、美しく響かせるのはかなり難しく「バフバフ」空気が漏れる音がしてしまうそうです。
また、コントラバスフルートを超える低音域のフルートが存在します。
- F管コントラバスフルート(フルートより1オクターブ半下のF音が基音)
- C管コントラバスフルート(フルートの2オクターブ下)
- ダブルコントラバスフルート(フルートの3オクターブ下)
とても貴重で国内に数本しかないそうです。どんな音色がするのか気になりますね(笑)
さいごに
フルートの歴史や種類をそれぞれご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
現在のフルートの形になるまでは長い歴史があったのですね。
フルート族の種類もたくさんあり、良く目にしたり聴いたりするフルートやピッコロの音色とはまた違った豊かさ・温かみがありますよね。
コントラバスフルートは音だけ聴いても、同じフルート族とは思えないかもしれませんね。
では最後に、フルート族それぞれが集まったアンサンブルをご紹介して終わりにしたいと思います。
それぞれの楽器の特徴が分かりやすく、さらに音が重なり合うことでフルートとは思えない音の厚みを感じられると思います。