最近寒さも和らいで日照時間も増えてきましたね。
つい1・2ヵ月前は、16時を過ぎるともう暗かったですもんね。
これからもっと日が長くなっていきますね。
1年の内で一番日が長いのは6月21日頃の「夏至」と呼ばれる日ですね。
この夏至を境に夏本番がやってきますね。
冬至にはかぼちゃを食べて身体を温め風邪予防をするというのは有名ですが、夏至にもそういった食べ物はあるのでしょうか?
冬瓜を食べるとは聞いたことがありますが、実は地域によって夏至の食べ物が違うようなのです。
ちょっと気になる夏至の食べ物。地域別のご紹介したいと思います。
合わせて、夏至についてもお伝えできればと思いますので、最後までお付き合いくださいね。
目次
夏至とは?
2019年の夏至は6月22日ですが、2020年以降はしばらく6月21日が夏至なんですね。
夏至とは、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つです。
1年間(365日)を24等分にしてその分割点の日を季節を表す名称を付けているのが二十四節気なのです。
この分割点にはそれぞれ季節を表す名称が入っていて代表的な4つは「春分・夏至・秋分・冬至」です。
春分から秋分の間、北半球の日の出は真東からやや北寄りの方角から、日の入りは真西からやや北寄りになります。
夏至にはこの日の出・日の入りの方角が一番北側に寄ります。
上記の図で見ると、夏至は太陽の動いている距離が一番長いことが分かりますね。
夏至の食べもの「冬瓜」
冬至にはかぼちゃを食べるという風習が古くからあるので、広く認知されていると思います。
しかし、夏至の食べ物は知らない人も多いかもしれません。
夏至に食べるものとして「冬瓜」があるんです。
冬瓜は夏野菜で、水分を多く含んでいるため身体を冷やしてくれ、排泄作用の高い野菜で、のぼせ症や膀胱炎に悩む人には役立つ野菜です。
それ以外にも、むくみ予防、便秘や高血圧の予防もしてくれます。
女性にも嬉しい作用があり、シミ予防やアンチエイジング効果も高いです。
冬瓜は低カロリーで味にクセが無いので、煮物・漬物・和え物・酢の物など様々な調理法が可能です。
食べる部分は冬瓜の実がほとんどですが、若葉やツルの部分は炒め物に使うこともあるそうです。
夏至ごろは、日が長くなり暑さも厳しくなるので身体を冷やす食べ物として広く知られるようになったんですね。
夏至に食べるものは地域によって違うらしい!
先ほどご紹介した冬瓜は暑い夏を乗り越えるための物で全国的に知られているようですが、それ以外にも地域によって食べるものが違うようです。
その代表的な地域の食べものをご紹介していきます。
関東地方の夏至の食べもの
関東では小麦とお米を同量まぜてこねた「小麦餅」を焼いて食べる習慣があるそうです。
昔の農家さんは小麦とお米を同時期に育てる二毛作を行っているところが多かったそうです。
夏至の頃までに小麦の栽培・収穫を終え、半夏生(夏至から11日後)までには稲の田植えを終わらせないと、秋の収穫に間に合わないという考えだったようです。
この忙しい時期を無事に終えたことを神様に報告する時に、新小麦を使った「小麦餅」をお供えしていたそうです。
それと同時に「お疲れ様」という労いの意味も込めて、小麦餅を焼いたものがご近所の農家さん同士で振る舞われていたそうです。
この風習が今でも残り、夏至に「小麦餅」を食べるそうです。
関西地方の夏至の食べもの
奈良県や和歌山県でも「小麦餅」を食べるそうですが、関東と違うのは小麦にもち米を合わせてついた物にきな粉をまぶして食べるそうです。
由来は収穫を手伝ってくれた人に配ったり、稲の豊作を願って食べていたそうです。
一方、同じ関西でも大阪は「タコ」を食べる風習があるそうです。
タコは海底の岩に足を張りつけることから「タコ足のようにこの土地に根を張って頑張ろう」という意味が込められているそうです。
そして6月下旬はタコが旬の時期で美味しくなる時期です。明石のタコは全国的にも有名ですよね。
昔は動物性たんぱく質を摂取するのは貴重なことでしたが、この貴重なタコを食べて暑い夏を乗り切ろう!という意味合いもあったそうです。
夏至の時期とは少し離れますが、京都では6月30日に「水無月(みなづき)」という和菓子を食べる風習があるそうです。
これは「夏越の祓(なつごしのはらえ)」という神道の儀式で、半年間の罪やけがれを祓い、これから先の半年の無病息災を願う行事。
水無月は、小豆をういろうに乗せて三角に切った和菓子です。
小豆は悪霊払いを意味し、三角は暑さをしのぐ氷を意味しているそうです。
他地域の夏至の食べもの
福井県では、サバを丸ごと塩焼きにして家族みんなで1本を食べるという「半夏生鯖」という風習が江戸時代から続いているそうです。
農民の栄養補給を目的として、江戸時代の大野藩の藩主が半夏生鯖を食べるように御触れを出したことが始まりだとされています。
すぐに商人がサバの丸焼きを売りに出すと大人気となり、この風習が根付いたそうです。
愛知県では「無花果(イチジク)」を食べる習慣があるそうです。
無花果には不老長寿の食べものだと言われているので、稲作時期に健康で元気な身体でいられるようにと食べられていたそうです。
無花果はそのまま食べて美味しいですが、愛知県では夏至に食べる無花果は調理をするのだそうです。
その調理方法は「無花果を軽く焼いて田楽味噌をぬって食べる」のだそうです。
どんな味がするのか、ちょっと気になりますよね(笑)
そして香川県にも夏至に食べるものがあります。
香川県と言えば?「うどん」ですね!
昔から小麦生産が盛んであった香川県では、夏至の時期に収穫をした小麦でうどんを作り、農作業を手伝ってくれた人たちに振る舞って労をねぎらうそうです。
でも、香川県の人たちはいつもうどんを食べている印象があるんですけど、夏至にもうどんを食べる習慣があったんですね。
夏至の食べものは農作業に関わっていた
夏至の食べものを知らないと「暑さをしのぐため・耐えるため」の食べものなのかな?と想像していたのですが、これまで紹介した各地の食べものを見ていると、農作業が大きく関係していることが分かりましたね。
そして夏至の食べものを調べていると半夏生との関わりも多いなと感じました。
【半夏生】
夏至から数えて11日目のことで、田植えは夏至までに終わらせるのが望ましいが、どんなに遅くても半夏生までに終わらせなければ、秋の収穫数が減ってしまうと言われています。
小麦の借り入れや稲の田植えなど、農家の人が一番忙しくなる時期を頑張って乗り切った。
そして、それからの田畑の手入れや秋の収穫に向けて体力を蓄えるために、夏至という時期に特別な物を食べていた。
これが夏至の食べものの由来になっていたんですね。
夏至についてのまとめ
夏至について食べもののことなどご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
その土地により夏至の色んな風習があり、また違った食べものを食べているんですね。
その風習は今も残っているものが多く、その土地ならではの特徴がありますね。
最後に、夏至について簡単にまとめてみますね。
1.夏至とは二十四節気の一つで1年を24等分にしたうちの一つである(代表的な分割点は「春分・夏至・春分・冬至)。
2.夏至の食べものの代表「冬瓜」は暑さが厳しくなる時期に最適な食材
3.関東地方では「小麦餅」を焼いて食べる習慣がある。
4.奈良や和歌山でも「小麦餅」を食べるがきな粉をつけて食べる。
5.大阪は「タコ」、京都では「水無月」という和菓子を食べる風習がある。
6.その他の地域では、サバ・無花果・うどんなどその土地ならではの風習がある。
7.夏至やその後の半夏生は、特に農家の人が労をねぎらったり秋の収穫時期に向けて栄養を蓄える風習が今でも多く残っている。