レシピ

フキの下処理が重曹で簡単に出来る方法!アク抜きや保存方法を紹介

春に旬を迎えるフキは香りや食感が良く、特に天然物はスーパーで売られている水煮とは違い格別ですよね。

天然物のフキは下処理やアク抜きをしなければ、苦みやエグみがあり美味しく食べることができません。

フキの下処理が難しいと思っている方もいらっしゃると思いますが、重曹を使うとそれほど難しくなく簡単にアク抜きができますのでご紹介していきます。

また、下処理したフキの保存方法や美味しいレシピなどもご紹介していきます。

フキの下処理の基本

自生している天然のフキは下処理をしないと苦味が強く、味付けしてもエグみが残ってしまい美味しく食べることが出来ません。

天然物のフキは下処理とアク抜きをして美味しく食べましょう。

まずはフキの下処理方法の基本をご紹介します。

フキを切る

フキの茎部分と葉部分を切り分けます。
そして茎の部分は、この後フキを茹でる鍋の大きさに合わせて長さを調整して切ります。

フキを茹でる鍋は大きい鍋にたっぷりのお湯が入る物を選びましょう。
フライパンでも代用ができますよ。

鍋が小さいと入れるフキを小さく切らなければならなくなり、その分だけ皮を剥く本数が増えてしまいます。

お湯を沸かす時はたっぷりのお湯を用意しましょう。
お湯の量が少ないとフキを入れた時に温度が下がり再沸騰するまで時間がかかってしまい食感が悪くなってしまいます。

フキを板ずりする

フキを切ったらまな板の上にフキを並べ塩を振りかけてからゴロゴロとまな板で転がす「板ずり」をしましょう。

フキ1束に対して大さじ山盛り1杯の塩をまんべんなく振りかけます。

両手でゴロゴロとフキ同士を擦り合わせましょう。
筋がもろもろと外れるまで転がします。

家庭用のまな板は小さいので縦にして使い、一気に転がさず手の位置を変えながら少しずつ転がすとやりやすいでしょう。

板ずりをするとアクが出やすく皮も剥きやすくなるだけでなく、フキの色が鮮やかになります。

フキを茹でる

鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したら板ずりしたフキを入れます。
フキは塩が付いたまま入れましょう。

フキを入れるとお湯の温度が下がるので強火のままにし、再沸騰したら中火にします。

フキの茹で時間は太さと茹でた後にすぐ調理するかどうかで変わります。

■茹で時間の目安

  • すぐに調理する・冷蔵保存する場合
    細いフキ:約3分 太いフキ:約5分
  • 冷凍保存する場合
    細いフキ:約1分 太いフキ:約3分

氷水で冷まし皮とスジを剥く

フキが茹で上がったら、すぐに氷水に入れて冷まします。

太さが違うフキを処理する場合は、細いフキから先にお湯から上げて氷水に入れ、残りの太いフキが茹で上がったら氷水に入れていきましょう。

フキが冷めたら水にさらしたまま、1本ずつ皮を剥いていきます。

フキの太い方の端に包丁の刃先や爪で3~4cmほど全体的に剥きます。
その後、皮をまとめて持ち一気に下まで引き下ろすと綺麗に皮とスジが剥けます。

全部剥き終えたら、お好みの長さにカットして完了です。

重曹を使ったアク抜き

フキのアク抜きが上手に出来なくて・自信がないという場合は「重曹」を使うと手軽にアク抜きすることができますよ。

フキなどの山菜はアクが多い上に、繊維が多いのでなかなかアクが抜けないという特徴があります。

重曹に含まれるアルカリ成分が繊維を柔らかくしてくれるのでアクが抜けやすくなります。
また、アクの成分はアルカリ性で溶け出すので簡単にアク抜きができるのです。

フキを茹でるまでの手順は「フキの下処理の基本」で紹介したフキを切って板ずりするまでの手順は一緒です。

■重曹を使ったアク抜きの手順

  1. 沸騰したお湯に重曹を入れる
    重曹の量は水1Lに対して耳かき1杯分です。
  2. 板ずりしたフキを入れて煮る

この後の工程は「フキの下処理の基本」の氷水で冷やし皮とスジを剥くを同じです。

重曹を使ってアク抜きする場合の注意点

  • 重曹を入れ過ぎない
    重曹を入れ過ぎると、フキが柔らかくなり過ぎて食感が悪くなってしまいます。
  • アルミ製の鍋を使わない
    鍋に跡が残ってしまう可能性があります。

重曹を使ってアク抜きする時は、茹で時間が少し短めにするなど様子をみながら行いましょう。

下処理したフキの保存方法

下処理したフキをすぐに調理出来ない場合には冷蔵保存・冷凍保存どちらもできますよ。

フキの色合いや食感を保つため保存方法をご紹介します。

フキの冷蔵保存(保存期間:約1週間)

冷凍保存はフキ特有の食感をキープすることができます。

下処理後のフキを調理しやすい長さにカットし、保存容器に水をたっぷりと入れフキを一緒に入れましょう。

水は入れっぱなしにせず、毎日水を交換することでフキの色合いを綺麗に保つことができますよ。

冷蔵庫で約1週間ほど保存が可能です。

フキの冷蔵保存(保存期間:約1ヶ月)

長期間保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。

下処理したフキをキッチンペーパーで表面の水分を拭き取ります。

小分けにしてラップに包み、冷凍用の保存袋に入れて急速冷凍します。

小分けにするのは短時間で冷凍させるためです。
また、急速冷凍すると食感や風味の劣化を出来るだけ防ぐことが出来るからです。

冷蔵庫に急速冷凍機能が無い場合は、金属製バットに乗せ冷凍庫に入れると良いですよ。

冷凍庫で約1ヶ月間ほど保存が可能です。

  • 解凍方法と使い方
    冷凍したフキは食感が少し強くなるため、煮物にするのがオススメです。
    凍ったまま煮物や汁物に加えて調理しましょう。
  • 調理してから冷凍もOK!
    伽羅蕗(きゃらぶき)のようにしっかり煮詰める調理物なら、冷凍しても食感や味もキープされます。

フキの美味しい&簡単レシピ

上手に下処理したフキを美味しくササッと簡単に作ることが出来るレシピをご紹介します。

フキ料理の定番である煮物はもちろんですが、意外な調理方法で美味しいレシピもありますのでご紹介していきますよ。

フキの炒め煮

材料

  • フキ(下処理済)・・・1束分
  • 鷹の爪(輪切り)・・・適量
  • ごま油・・・小さじ1
  • こめ油・・・小さじ1
  • だし汁・・・100cc
  • 砂糖・・・小さじ1
  • 薄口しょうゆ・・・大さじ1
  • 酒・・・大さじ1
  • みりん・・・大さじ1

「フキの炒め煮」のレシピはこちら!

フキのレシピの中でも定番である炒め煮です。
こめ油はサラダ油でも代用できます。

きゃらぶき(フキの甘辛煮)

材料

  • フキ・・・200~250g
  • 塩・・・大さじ1
  • 酒・・・大さじ2
  • 砂糖・・・大さじ2
  • 醤油・・・大さじ2
  • みりん・・・大さじ2

「きゃらぶき(フキの甘辛煮)」のレシピはこちら!

甘いのが苦手な方は砂糖とみりんを大さじ1で作ってみて下さい。
作った後に細かく切って冷凍保存し、ご飯と一緒に炊くのもオススメです!

フキとベビーホタテ煮

材料

  • フキ・・・100g
  • ベビーホタテ・・・70g
  • 水・・・150ml
  • 白だし・・・小さじ2
  • 醤油・・・小さじ1/2
  • かつお節・・・一握り弱

「フキとベビーホタテ煮」のレシピはこちら!

レシピは水煮の処理済みフキを使っていますが、自分で下処理したフキでも作れるレシピです。
下処理済みのフキと加熱済みの冷凍ベビーホタテを使えば短い調理時間で作ることができますよ。

ほかほか蕗ごはん

材料

  • 米・・・2合
  • フキ・・・200gくらい
  • 薄口しょうゆ・・・大さじ2
  • 酒・・・大さじ3
  • だし昆布・・・適量

「ほかほか蕗ごはん」のレシピはこちら!

フキの香りが楽しめるよう、薄味にしていますがお好みでアレンジしても美味しくなります。
おかずではなくフキを混ぜご飯として食べられる珍しいレシピですね!

フキの豚肉炒め

材料

  • フキ・・・600g
  • 豚肉・・・300g
  • ごま油・・・大さじ1
  • 生姜チューブ・・・5cm
  • ニンニクチューブ・・・1cm
  • 酒・・・100ml
  • 醤油・・・100ml
  • 砂糖・・・大さじ2

「フキの豚肉炒め」のレシピはこちら!

食卓のメインおかずに出来るレシピなのに、手間も無く簡単に作れちゃいます。
お子さんもお父さんも好きな味付けでたくさん食べたくなる味付けです。

まとめ

フキは春の旬の食材で、風味も食感も楽しめるので私たちの食卓を豊かにしてくれます。

そんなフキもきちんと下処理をしなければ美味しく食べることはできません。

今回ご紹介したフキの下処理方法・重曹を使ったアク抜きのおさらいです!

■下処理の基本

  • フキは葉と茎に分けてきり、塩を振りかけて板ずりする。
    板ずりをすることでアクが出やすく皮やスジが剝きやすくなり、色鮮やかな仕上がりになります。
  • フキを茹でる時間は調理・保存方法によって変える
    すぐ調理する・冷蔵保存の場合は、約3分~5分
    冷蔵保存の場合は約1分~3分
  • 氷水で冷まし皮とスジを剥く
    茹でたフキはすぐに氷水で冷まし、冷めたら1本ずつ皮とスジを剥きます。
    端を少し剥いた後に、一気に引き下ろすと綺麗に剥けます。

重曹を使ってアク抜きをすると、繊維が柔らかくなるのでアクが抜けやすくなります。
また、重曹のアルカリ成分はアクを溶けだす働きがあるので、アク抜きに役立ちます。

■重曹を使ったアク抜き

  • 沸騰したお湯に重曹を入れる
    水の量1Lに対し耳かき1杯分

【注意点】
重曹を入れ過ぎない
アルミ製の鍋を使わない

下処理を終えたフキは冷蔵保存・冷凍保存どちらもできますが、それぞれに気を付けなければいけない点があります。

■下処理したフキの保存方法

  • 冷蔵保存
    調理しやすい長さにカットし、保存容器に水をたっぷりと入れてフキを一緒にいれ、水は毎日交換する。
  • 冷凍保存
    フキの水気を拭き取り小分けにしてラップに包んでから冷凍用の保存袋に入れ急速冷凍する。

自生している天然のフキは、風味がとても良く春の訪れを感じることが出来ます。

そんな美味しいフキを上手に下処理して食べてくださいね!