仕事・職場

給料計算をするための時給の仕組みや残業などの計算方法を教えます!

アルバイト・パートや派遣で働く人のお給料は「時給」が多いですよね。

自分でお給料の計算をしたことはありますか?

時給でもらっている場合の計算方法はわかりますか?

働く時間帯によっては割増賃金が発生することもあります。

主に割増賃金とは、時間外手当(残業)・休日手当(休日出勤)・深夜手当(深夜労働)などです。

それぞれ基礎となる時給に数パーセントの割り増しがつきます。

また、時給計算も分単位で計算することができます。

あまり給料計算を理解しておらず、給与明細の通りに給料が入っていればいいや。と思っている人は多いようです。

労働時間の計算を間違ってしまうと、間違った給料をもらってしまうこともあります。

自分で給料計算するために、知っておきたい知識をご紹介していきます。

時給計算の基本

時給の計算方法は、働いた時間(労働時間)に時給をかけることで計算することができます。

働いた時間×時給=給料

9:00~18:00(休憩1時間)の勤務の場合は実働8時間となります。

時給が1,000円で月20日間働いた場合の計算方法は

実働8時間×時給1,000円×月20日=160,000円

これがその月のお給料となりますが、ここから所得税が引かれたり、社会保険や雇用保険に加入している場合は、それぞれ差し引かれます。

逆に交通費などの諸手当がある場合は、これに加算されます。

働いた時間の計算

その日・その月のお給料を算出するためには「働いた時間」を計算しなければいけません。

例えば、9:00~18:30(休憩1時間)でお仕事した場合の労働日数を計算する場合どのように計算するのでしょう。

18.5-9-1=8.5時間⇒労働時間は8時間30分

働いた時間は「分単位」で計算をします。

分数を小数点に変えて時給をかけないと、正しい計算ができません。

分数÷60=分数の小数点になる

5分単位を小数点に変えると、以下の数値になります。

5分⇒0.0835分⇒0.58
10分⇒0.1640分⇒0.66
15分⇒0.2545分⇒0.75
20分⇒0.3350分⇒0.83
25分⇒0.4155分⇒0.91
30分⇒0.560分⇒1.0

会社によっては15分単位・30分単位などと決めている場合があります。

例えば、18:20に退勤したとしても15分単位の会社は18:15ですし、30分単位の会社なら18:00が退勤の時間として給料計算することになります。

あなたの職場は何分単位で計算するのか確認しておきましょう!

割増賃金について

労働基準法では、超過勤務(残業)や深夜労働など時給が割増になる制度があります。

全ての会社に当てはまるわけではなく、中小企業には「適用猶予」がある場合もあります。

時間外労働割増・深夜労働割増・休日労働割増という3種類の割増賃金があるので、それぞれ説明していきます。

時間外労働割増

労働基準法では法定労働時間を超えた場合、時間外労働として割増した賃金を支払うことが定められています。

給与明細には「時間外手当」や「残業手当」などと記載されていることが多いです。

それでは、時間外労働にはいくつか種類があるのでご紹介します。

時間外労働の条件割増率
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時25%以上
時間外労働が1ヶ月45時間、1年で360時間等を超えた時(※1)25%以上
時間外労働が1ヶ月60時間を超えた時(※2)50%以上

時間外労働には限度があり、原則1ヶ月45時間、1年で360時間を超えないようにしなければなりません。

時間外労働が45時間/月を超える残業には、25%を超える割増率で賃金を支払うという努力義務があります(※1)。

また、時間外労働が60時間/月を超える残業に対しては50%以上の割増率(※2中小企業は適用猶予)でなければなりません。

深夜労働割増

深夜労働割増とは、22時から翌日午前5時までの間に労働する事を指します。

この時間帯を俗に「深夜帯」とも言います。

深夜労働の条件割増率
22時~翌日午前5時までの間に勤務した時25%以上

給与明細には「深夜手当」や「夜勤手当」などと記載されることが多いです。

この深夜帯の労働は、満18歳未満は禁止されています。

休日労働割増

休日労働というのは、労働基準法で定められた法定休日に勤務することです。

法定休日とは、週1日、または4週通して4日の休日で、特に曜日を定めてはいません。

1週間のうち1日でも休みがあれば、法定休日労働にはなりません。

休みなしで1週間働いた場合、そのうちの1日が休日労働となります。

休日労働の条件割増率
法定休日(週1日または、4週を通して4日)に勤務して場時35%以上

休日労働割増は35%以上の割増賃金となります。

給与明細には「休日手当」や「休日出勤」などと記載されることが多いです。

割増賃金の重複

ここまでご紹介した各割増賃金は理解できましたか?

それでは「深夜労働(22時~5時)」の時間帯に残業したらどうなるのでしょう?

割増賃金は重複発生する場合があるのです。

時間外労働(実働8時間以上)が、深夜労働になった場合は時間外労働と深夜労働を合わせた割増率になります。

休日労働が深夜労働になった場合は、休日労働の割増率と深夜労働の割増率を合わせた割増率になります。

割増賃金の重複条件割増率
時間外労働(25%以上)+深夜労働(25%以上)50%以上
休日労働(35%以上)+深夜労働(25%以上)60%以上

ここで注意したいのは、休日労働で実働時間が8時間を超えた場合です。

法定休日には法定労働時間が存在しません。

すでに休日労働したことで35%以上の割増率がかかっているので、時間外労働(残業)しても割増賃金が発生しません。

休日労働と時間外労働の重複はありませんので、注意しましょう。

シフト制の休日出勤について

シフト制のお仕事をしていて、急遽シフトに入ってほしいと頼まれた場合には「休日労働」になるのではないですか?疑問が出てくると思います。

例えばファミリーレストランで、月・火・木・金に実働8時間のシフトが入っていたとします。

土曜日に急な欠員が出て8時間の労働をお願いされた場合、休日労働として割増になるのでしょうか?

この場合、休日労働の割増賃金は発生しません。

元々、土曜日は休日ではありましたが、労働基準法では1日8時間・1週30時間の範囲に労働時間が収まり、かつ週1日以上の休日が確保されている場合は休日労働にはならないのです。

もし、月~金まで実働8時間でシフトが入っていたとして、更に土曜日にも8時間の出勤をお願いされた場合、土曜日の出勤で週40時間を超えることになるのでの割増賃金の対象となります。

さらにこの状態で日曜日も出勤した場合は、この週の休みが1日も無くなります。

この場合、日曜日は法定休日出勤として休日労働になるので35%以上の割増になります。

毎週土日祝が休日と決まっている仕事よりもシフト制の方がちょっと難しいかもしれませんね。

特にシフト制の場合、週40時間や法定休日の起算曜日をお仕事先に確認しておきましょう。

その起算曜日によっては月末~翌月月初に跨いで算出しなければいけないので、注意してくださいね。

まとめ

今回は、時給計算をするための時給や各割増賃金についてご紹介しました。

時給制のお仕事でも、1日の実働時間が8時間を超えたり深夜帯にお仕事をすると割増賃金になることも分かりましたね。

時間計算をする時、15分単位や30分単位などはお仕事先で変わるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

それ以外にも、週40時間・60時間超えの確認をするためにも、労務管理の起算曜日(日付)も確認しておくと良いですね。

ただ給与計明細を何となく見て「今月はこれくらいか~」というよりも、自分で働いた分を計算して「給料の大切さ」を実感するのも大事ですよ!