お葬式や告別式に参列する時に持参する「香典」の金額で困ったことはありませんか?
訃報は突然のことなので、焦ってしまって失敗などしたくないですよね。
そして、悲しみの最中にいる親族の方や故人に失礼にならないように気を付けたいですね。
香典に金額の決まりは無くても、相場というものがあるのはご存知ですか?
それは、個人との関係性やご自身の年齢でも異なっているようです。
また、香典を包む際のマナーもあります。
今日は、お葬式や告別式で香典を出す金額の相場を関係性や年齢別でご紹介していきます。
それ以外の香典に関するマナーも一緒にご紹介していきます。
香典とは
香典は亡くなった人への悼む想いを示す「弔意」を表すものの一つです。
現代では現金を不祝儀袋に入れて渡すことがほとんどですが、昔はお金ばかりではありませんでした。
香典の文字に含まれている「香」をお供えするという意味合いで、お線香や香木などをお供えしたり、お米や野菜などを持ち寄ったお供えがそもそもの起源なのだそうです。
香典に「香」という文字が使われているのは、その名残で「香りのある花や線香」をお供えしていたからです。
また「典」には、「霊前にお供えする金品」を指す言葉だとされています。
香典には弔意を表す以外にも、故人の家族を助けるという意味もあります。
ご家族の死は突然な出来事なので、遺族にとって葬儀は急な出費と言えます。
香典はその出費を金銭面で助け合う精神の意味もあるのです。
香典の金額の相場は?
香典の相場は、故人とあなたの関係性やあなたの年齢により異なります。
一応、目安となる金額があるのでご紹介していきたいと思います。
家族・親族・知人や友人・職場関係・その他のお付き合いによっても異なるので、それぞれの関係性と年齢別を分かりやすく一覧にしています。
ぜひ、参考にしてくださいね。
香典の金額相場:「家族・親族」の場合
亡くなられた方が家族や親族の場合、香典の相場はいくらなのでしょうか?
あなたと故人の関係や年齢によっても金額が違うようです。
特に叔父・叔母やその他の親戚などは、故人との交流の深さで多少金額に幅があるようです。
あなたのお子さんの義父・義母(息子の嫁の親、娘の夫の親)の場合もご紹介します。
通夜や葬儀後の会食に出席する場合は、その分も考慮した金額を包むのが一般的のようです。
香典の金額相場:「知人・友人など」の場合
亡くなられたのが知人・友人などの場合の香典の金額相場です。
お付き合いの深さや関係性によってかなり差があるので、金額の幅も広いのが特徴的です。
香典の金額相場:「ビジネス関係」の場合
ビジネス関係の場合には、香典の金額相場は以下を参考にしましょう。
社内か取引先かで金額が違いますね。
ビジネス関係になると、会社から社名や社長名で香典を出すこともあります。
会社で対応する場合もご自身は香典を出した方が良いのか?
他の社員も香典を出すなら金額はいくらにするのか?など上司に相談した方が良いでしょう。
香典を出す前に確認「香典のマナー」
香典金額の相場が分かった後は、香典を出す前に確認しておきたい「香典マナー」をご紹介します。
香典は、ご遺族の経済的負担を助けるためだけでなく、心の慰めにもなります。
「香典マナー」を知っていれば、ご遺族に対して失礼なことをしないよう気を付けることができます。
香典を出す前に、こちらを確認しておきましょう。
香典袋の選び方
香典袋を選ぶ時には、包む香典の金額により選ぶ方が丁寧です。
どんな物を選べば良いのか、参考までに目安をご紹介します。
香典金額 | 香典袋の種類 |
~5千円 | 水引が印刷されている香典袋 |
1~2万円 | 白と黒の水引がついた香典袋 |
3~5万円 | 双銀の水引が付いた中~大判の香典袋 |
10万円以上 | 双銀の水引が付いた大判で高級和紙の香典袋 |
水引が印刷されている香典袋はコンビニなどでも売られているので、手軽に購入できます。
実際に水引がついた香典袋や大判の香典袋は、文具店やデパートなどで売られていることが多いです。
香典袋の書き方
香典袋を入手したら、次は必要なことを書いていきましょう。
香典袋は、故人の宗教に合わせて書いた方が良いので、訃報の連絡があった時に宗教を確認した方が良いです。
それでは、宗教別に香典袋の書き方をご紹介していきます。
仏教・仏式
仏教や仏式で使う香典袋は「御霊前」「御香典」「御香料」などがあります。
表書きは薄墨で、下段に会葬者(参列者)の氏名を記入します。
白黒の水引や双銀の結び切りのものを使います。
見本は無地ですが、蓮の花が描かれている香典袋もあります。
キリスト教
キリスト教で使う香典袋は「御霊前」「御花料」などがあります。
表書きは特に薄墨でなくても構いませんので、下段に会葬者(参列者)の氏名を記入します。
キリスト教の香典袋は、十字架やユリの花が印刷されてる香典袋があります。
神式
神式では「御神前」「御玉串料」「御榊料」などの香典袋があります。
神式も薄墨でなくても構いませんので、下段に会葬者(参列者)の氏名を記入します。
神式の香典袋は無地に白黒や双白・双銀の水引のものを使います。
宗教が分からない場合
本来は訃報の知らせがあった時に宗教を確認する方が良いのですが、もしも分からなかった時にはどの香典袋を使えばいいのでしょうか?
どの宗教でも使える香典袋は「御霊前」です。
仏教・仏式と基本は同じですが、1点だけ注意点があります。
御霊前の香典袋には「蓮の花」の絵が描かれているものがあります。
これは仏教用の香典袋なので、宗教が分からなく「御霊前」の香典袋を使う場合は無地のものを選びましょう。
香典袋の名前の書き方
香典を出す人が本人である場合は困ることはありませんが、代理で出す場合や連名で出す場合など、名前の書き方が分からないことがありますよね。
いくつかの事例でご紹介していきますので、参考にしてください。
本人が参列する場合
下段に葬儀に参列する本人のフルネームを書きます。
香典袋の真ん中に文字が来るように、そしてバランスよく書きましょう。
代理で参列する場合
ご主人が何らかの理由で参列することが出来ず、奥さんが代理で参列する場合です。
「内」という文字を名前の横に小さく書きます。
これは、会葬者名簿を記載する時も同様です。
連名の場合
例えば夫婦そろって参列する場合、香典袋にご主人の名前だけ書いても良いです。
しかし、故人には夫婦でお世話になったとか縁が深かった場合には連名で書いても良いです。
真ん中にご主人の名前を書き、左横に奥様のお名前を同じ大きさで書きます。
会社の社長名で香典を出す場合
会社でお客様やお世話になっている方へ社長名で香典を出す場合です。
社名が長くて1行では収まらない場合は、数行になっても構いません。
氏名は中央に来るようにバランスを取りながら書きましょう。
会社名を書くのは、遺族の方に故人との間柄が分かるようにするためです。
香典の中袋の書き方
中袋には表側に金額、裏面に住所・氏名を書きましょう。
筆で書くのが正しい方法ですが、ペンでも構いません。
金額を書く時に漢字を使う場合は、以下の表を参考にしましょう。
1 | 2 | 3 | 5 | 7 | 8 | 10 |
壱 | 弐 | 参 | 五・伍 | 七 | 八 | 十・拾 |
単位は、万⇒「萬」 円⇒「圓」という書き方があります。
中袋に金額を書くのは、受付の会計を担当している人がすぐに金額を記帳できるようにするためです。
また「壱・弐・参・拾」のように、私たちが一般的に使用する漢数字と文字が違うのは、後から金額を不正に修正できないようにするためです。
特に「一・二」という漢数字は1本書き加えるだけで別の数字になってしまいます。
不正に金額を書き変えられないようにするために、難しい漢字を使っているのです。
香典について他に気を付けること
香典の金額相場・香典袋の選び方や書き方などをご紹介してきましたが、それ以外にも気を付けなければいけないことがあるので、ご紹介します。
香典で包むお金のこと
「香典は前もって準備する物ではない」という意味でピン札(新札)を使わないという風習があります。
最近では、その風習も気にないという傾向にありますがピン札しかなく気になる場合は折り目を入れましょう。
また、避けた方が良い数字(金額)があります。
「4や9」は「死ぬ・苦しむ」を連想させ、「2や4」という数字は割り切れてしまうので「個人とこの世の繋がりが切れる」ということを連想させ縁起が悪いとされています。
このような意味合いで3,000円・5,000円・10,000円という金額が主流です。
これには他にも意味があり、古くからの風習で香典で包むお金は同じ種類が良いという考えがあるからです。
そして、香典袋にお金を入れる時の向きは人物が見えない裏向きで入れるのが礼儀です。
香典の渡し方
葬儀場(通夜・告別式など)で渡す場合、後日遺族へ直接渡す場合、郵送で渡す場合の3種類を挙げて紹介します。
葬儀場で渡す場合 | 受付で袱紗(ふくさ)から香典を出して渡します。 「このたびは誠にご愁傷さまでございます」と小さな声で一言添えます。 |
後日遺族へ渡す場合 | 香典を喪主に手渡してから故人に手を合わせます。 |
郵送で渡す場合 | 現金書留で送ります。 香典袋に現金を入れ、お悔やみの添え状を同封しましょう。 |
最後に
今回は葬式で出す香典について「金額相場」や「香典マナー」についてご紹介しました。
不幸ごとは突然起こるので、事前には準備しておけないものです。
だからこそ、わからない事はすぐにでも知りたいですよね。
今日の記事を読んでもらうことで、いざという時に慌てず失敗しないようにできるはずです。
香典というのはご遺族を経済的に助けるだけでなく、気持ちを慰めることも出来ますし故人への想いを表すものでもあります。
このような大事な場面では失敗したり、ご遺族の方に失礼が無いようにしたいですね。
風習やしきたりなどをきちんと理解して守ることで、喪主をはじめとするご遺族に対し慰めの気持ちも伝わるでしょう。
いざという時に困ったら、ぜひ参考にしてください。