今日は夏の花の中でも、多年草をご紹介します。
多年草は一度植えると、毎年花を咲かせてくれるので、特にガーデニング初心者におすすめということもあり大変人気です。
夏の花は、色合いが濃くハッキリとした種類が多くとてもカラフルです。
太陽の光を浴びてドンドン成長してくれる、初心者向けの育てやすい花を厳選して4種類ご紹介します。
目次
多年草は植えっぱなしでも大丈夫
今日は多年草のお花を紹介していきますが、多年草って何なの?という方のために、咲き方の種類からご紹介します。
植物には育ち方があり、一年草・二年草・多年草・宿根草を大きく4つに分けられます。
これからガーデニングを始めるにあたって、知っておいた方が良いので簡単ではありますが、ご紹介します。
一年草
種を蒔いたその年に花を咲かせ枯れるまで1年間だけというのが一年草です。
その1年で花を咲かせて枯れたあとは、もう花を咲かせることはありません。
次の年は、残した種から新しい株が育ちます。
ガーデニングで主に使われる一年草は、パンジー・デイジー・コスモス・ひまわり・マリーゴールドなどがあります。
二年草
二年草は、あまり聞きなれないかもしれませんね。
種を蒔いた最初の年は根を広げ、茎や葉を伸ばすだけで次の年の春や夏に花を咲かせるのが二年草です。
2年間花を咲かせる植物の種類だと勘違いする方が多いようです。
ガーデニングで主に使われる二年草は、ジギタリス・月見草・かすみ草・ポーチュラカ・ルピナスなどがあります。
多年草
多年草は、同じ株が枯れずに何年も花を咲かせる植物です。
原産地(日本以外)で多年草だとしても、日本では冬に枯れてしまう植物は一年草になります。
花から種ができるので、植えっぱなしでもドンドン育ち増えていくのが特徴です。
ガーデニングに使われる多年草は後ほどご紹介していきます。
宿根草
宿根草(しゅっこんそう)は多年草の一種なのですが、多年草と違うのは育成に適さない時期(冬)になると、葉や茎の地上部が枯れます。
地下部には根が残ってるので、暖かい時期になるとまた育ち始め花を咲かせます。
目に見えている部分(地上部)が枯れてしまうので「もう終わっちゃったのね」と思うかもしれませんが、実は土の中で暖かくなるのを待っているという植物なのです。
ガーデニングで主に使われる宿根草は、シクラメン・芝桜・マーガレット・クリスマスローズなどがあります。
夏の花~初心者にオススメの多年草4選
多年草は植えっぱなしでも元気に育つ初心者にオススメな種類です。
特に夏の花は一年草や二年草が多い中ですが、多年草も探せば色々あります。
夏に咲く元気なカラーの花や、落ち着いた形・色の花など様々ありますので、オススメしたい4選をご紹介していきます。
月下美人
月下美人は漂う匂いで咲き始めたのが分かるくらい強い香りがあります。
初夏から秋にかけて開花しますが、連続して咲くのではなく2・3回とまとまって咲くことが多いです。
月下美人という名前の由来には昭和天皇が関係しているんです。
台湾に訪れた昭和天皇が月下美人に目を奪われ、同行していた駐在大使に花の名前を聞いたところ「月下の美人です」と答えたところから名づけられたそうです。
月下美人の基本データ
園芸分類 | 多肉植物 |
原産地 | メキシコ~中米 |
草丈/樹高 | 1~2mくらい |
植付け・種まき・肥料 | 5月上旬頃 |
開花時期 | 7月~11月 |
花の色 | 白 |
耐性 | 耐寒性:弱い 耐暑性:ふつう |
特性 | 常緑性・香りが強め |
月下美人の育て方
栽培環境 | 11月~4月は日当たりの良い所に置くと花芽がつきやすい。 5月~6月は日なたに置いて直射日光を当てます。 梅雨明け~9月頃の日差しが強い時期には半日陰に移動させ、9月中旬からはまたしっかりと日に当てましょう。 |
水やり | 5月~10月は土の表面が乾いたら水を与えますが、11月~4月は土の表面が乾いていても数日経ってから少量の水を与えましょう。 |
肥料 | リン酸分やカリ分を含んだ肥料が最適です。 4月~9月は緩効性肥料、10月は液体肥料を与えましょう。 |
病気・害虫 | 病気:すす病(カイガラムシの廃絶物が原因なので、カイガラムシを寄せ付けないようにしましょう。) 害虫:カイガラムシ(茎葉に白い塊があればカイガラムシです。歯ブラシなどで擦り落とすか、薬剤で防除) |
用土 | 水はけの良い土(赤玉5、鹿沼土2、腐葉土3) |
アガパンサス
アガパンサスは、白や青紫色の花で清涼感があり、長く伸びた茎に小さな花がいくつも咲くので見た目が優雅です。
切り花としても人気でよくアレンジメントにも使われます。
手のかからない花なので、公園など花壇でもよく見かける花です。
300以上もの園芸品種があり、花の形の種類が多く切れ込みの深い星型やラッパ状など可愛らしいお花です。
アガパンサスの基本データ
園芸分類 | 草花 |
原産地 | 南アフリカ |
草丈/樹高 | 0.3~1.5mくらい |
植付け・種まき・肥料 | 3月上旬・9月上旬 |
開花時期 | 5月下旬~8月上旬 |
花の色 | 白・青紫・複色 |
耐性 | 耐寒性:落葉種は強く、常緑種は半耐寒性 耐暑性:強い |
特性 | 常緑性・落葉性・初心者でも育てやすい |
アガパンサスの育て方
栽培環境 | 日当たりと水はけの良い所に適していますが、環境適応の幅が広いので乾燥にも強いです。 鉢植えの場合は、株張りが大きくなりますのでスペースが必要です。 |
水やり | 庭植えの場合はほとんど不要。 雨当たりが悪い場所では土表の乾きを見ながら水を与えましょう。 鉢植えの場合は、成長期である春に多めに与えましょう。 |
肥料 | 庭植えの場合は、植付けする時に堆肥や腐葉土を混ぜるだけでも良く育ちます。 鉢植えは、4月~6月・9月~10月の月1回の置き肥か、液体肥料を月3回与えると良いです。 |
病気・害虫 | 病気:特にありません。 害虫:アブラムシ(蕾につくことがあるので防除しましょう) |
用土 | 土質は選ぶことなく育ちますが、おすすめは赤玉土7・腐葉土3の配合土や草花用培養土です。 |
桔梗
秋の花というイメージがありますが、6月ごろから咲き始めます。
桔梗は古来から日本人に愛されています。
その証拠に、万葉集や家紋に使われています。
桔梗の根は太く、サポニンを多く含んでいるので生薬として使われることがあります。
鎮痛・鎮静・解熱に作用があると言われています。
自生株は近年減少傾向にあり、絶滅危惧種となっています。
桔梗の基本データ
園芸分類 | 草花・山野草 |
原産地 | 東アジア |
草丈/樹高 | 15~150cmくらい |
植付け・種まき・肥料 | 2月上旬 |
開花時期 | 6月~10月 |
花の色 | 白・紫・ピンク |
耐性 | 耐寒性:強い 耐暑性:強い |
特性 | 落葉性、開花期間が長い、初心者でも育てやすい |
桔梗の育て方
栽培環境 | 風通しの良い日なたで成長し、日陰では育ちません。 15~30cmくらい盛り土をした上に植えると良いです。 |
水やり | 庭植えの場合は、晴天が続き乾燥しているようなら水を与え、鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。 |
肥料 | 植え替えの時にリン酸をカリウムを多めにした緩効性化成肥料を与えます。 肥料が直接根に触れないように気を付けましょう。 |
病気・害虫 | 病気:立枯病、茎腐病(水はけや風通しが悪いと過湿が原因で茎や根の付け根辺りが腐ります。) 害虫:クロウリハムシ、アブラムシ、ヨトウムシ(黒い羽の1cmくらいのクロウリハムシは見つけたら捕殺か薬剤で防除しましょう。周辺にウリ科の雑草があれば処分すると良いです。) |
用土 | 庭植えの場合は、根腐れを防ぐために15~30cmくらい盛り土した上に植えましょう。 鉢植えは、水はけの良い土であれば土質を選びません。 |
カザニア
鮮やかで色の種類が豊富なカザニアは、光が当たると開く性質があるので、朝に花が開き夜には閉じてしまいます。
花の形は勲章のような形をしているのでとても華やかな印象です。
花の色が豊富な上、ストライプ柄・二色咲き・蛇の目模様の物があります。
また、花びらの形も丸みを帯びたものや、先が尖ったものなどバリエーションが豊富です。
魅力的なのは花だけでなく葉も魅力で、照葉や銀葉(シルバーリーフ)などの種類があります。
カザニアの基本データ
園芸分類 | 草花 |
原産地 | 南アフリカ |
草丈/樹高 | 15~40cmくらい |
植付け・種まき・肥料 | 3月下旬・9月下旬 |
開花時期 | 4月~10月上旬 |
花の色 | 赤・白・黄・オレンジ・ピンク |
耐性 | 耐寒性:やや弱い 耐暑性:強い |
特性 | 開花期間が長い、グラウンドカバーにできる |
カザニアの育て方
栽培環境 | 風通しが良く日が当たる所で育てます。日当たりが悪いと花が開かないので、場所は非常に大事です。 高温・乾燥には強いですが、低温・過湿には弱いので、水はけの良い土が良いでしょう。 |
水やり | 庭植えの場合は不要。 鉢植えは土が乾いていたら与えましょう。 |
肥料 | 植付ける時に緩効性化成肥料を土壌に加え、追肥は春・秋の育成がピークの時に与えましょう。液体肥料を定期的に与えるのも良いです。 |
病気・害虫 | 病気:葉腐病、うどんこ病(葉腐病は株元に病原菌のカビの菌糸が見えるので、取り除きましょう。うどんこ病は葉に白いカビがつくので、見つけたら葉ごと取り除きましょう。) 害虫:スリップス、ハマキムシ(花びらや葉が萎縮したり内側に巻き込んだりします。見つけたら捕殺してください。) |
用土 | 水はけと通気性の良い土を好みます。 赤玉土小粒5、腐葉土3、パーライトか日向土小粒2などを配合 |
さいごに
夏はすぐに土が乾いてしまうので、夏の花は育てるのが難しいのかな?と思いきや、多年草は乾燥に強い花が多いということが分かりました。
なので、水やりをそれほど気にしなくても良さそうですね。
多年草は、年々株が大きくなりますので数年経つと豪華な花をつけることもあります。
多年草は割と小ぶりな花が多いので、華やかな他のお花と一緒に植えると引き立て役としても長く楽しめます。
ガーデニング初心者は、多年草から始めて徐々に一年草や二年草などにチャレンジしていくといいかもしれませんね。